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悪魔を孕んだ聖母達
官能リレー小説 - SF

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悪魔を孕んだ聖母達 2

パシッと乾いた音が響いた。ユーリと呼ばれた娘の頬を叩いたのは、他ならぬ目の前のレイラだった。
「行って、ユーリ。私の最期のお願いだから…ね」
「レイラ…うわあぁぁぁ!!」
ユーリはレイラに抱きつき、子供のように泣きじゃくった。他の4人の女達も声には出さなかったが泣いていた。

「おい!あそこに一人いたぞ!」
脱走者を追っていた兵士達は道の真ん中に裸で倒れている女を見つけた。
女は大きな腹を上にして股を開いて息を荒げている。兵士達はそのエロチックな光景に一瞬見とれた。隊長らしき男は気を取り直して無線を取り出して連絡した。
「あー、本部どうぞ。脱走者一名を山中にて発見。これより身柄を拘束します」
「へへへ…エロいなぁ。道の真ん中に素っ裸で寝っ転がって大股開きして…男を誘ってるみたいだ」
「けっこう良い女だし、研究所に戻す前に皆で輪姦しようぜ」
兵士達は女を見下ろして話し合っている。女は苦痛とも快感とも判らぬ表情を浮かべて言った。
「ハァ…ハァ…す…好きにしなさい…ウゥ…どうせ私はもう死ぬ身だもの…ハァ…ハァ…でもタダじゃ死なないわ…ハァ…ハァン!…あなた達も道連れよ!アァン!ア!う…産まれるぅ!」
隊長が叫んだ。
「マズい!その女は産気づいてるぞ!逃げろー!!」
次の瞬間、女の股間から無数の昆虫のような生物が飛び出し、兵士達に襲いかかった。
一匹が人間の頭くらいもある巨大なその虫は、4枚の羽で飛び回り、鋭い牙で兵士達の体中に喰らいついた。
「ギャー!!」
「た…助けてぇ!」
兵士達の断末魔が響き渡る。ある兵士は銃で何匹か撃ち落としたが、なにしろ数が多すぎる。あっという間に無数の虫が彼の全身にたかり喰い殺された。
それだけではない。何と虫達は今自分達を産んだ女まで喰い始めたのだ。手、足、尻、腹、乳房…虫達は“母親”だったものに喰らいつく。女は狂ったように叫んだ。
「私の可愛い子供達!私の身体を全部あげるわ!だからお願い!兵隊達を足留めして!ユーリ達が逃げる時間を稼いで!!」
その女…レイラは薄れゆく意識の中で思った。
『ユーリ…どうか無事に逃げて…そしてこの恐ろしい事実を世界中の人々に知らせて…二度と私達のような思いをする人を出さないために…』

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