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悪魔を孕んだ聖母達
官能リレー小説 - SF

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悪魔を孕んだ聖母達 18

レイラが命と引き換えに産み落とした虫が、彼らを襲う。

「フシャーッ!」
「ぎゃーっ!」
黒豹たちは素早く逃げようとするが、逃げ切れず噛みつかれる者が出始める。
ゲンナディーにも、虫は襲ってくる。
慌てて発砲し、一匹を撃ち落とす。だが別の一匹が、彼の左肩に嚙みついて、肉を食らいだす。
黒豹たちもある者は腹を食い荒らされ、別の者は足から食い荒らされて大出血している。
もはや、完全なパニック状態だ。ゲンナディーも左肩の肉を食われ、骨まで噛まれて銃床で必死に虫を殴るが、離れそうにない。
そればかりか、別の一匹が彼の腹を食い破る。
10人近くいた黒豹の男たちは、すでに全員が虫に襲われていた。
腹を、肉棒を、腿を、腕を、次々に噛まれ、咀嚼する音、肉がかみ切られる音、彼らが挙げる断末魔の悲鳴が交錯する。
必死に抵抗するゲンナディーも、あちこちを食い荒らされて出血で薄れゆく意識の中で、全員が食いつくされていくのを見ることになった。
化け物が人間だった化け物を捕食する…生みだした奴も、生み出された奴も、みんな狂ってる……
うっすらとした想念を最後に、ゲンナディーの意識は途絶えた。


グチャッゴキッ!ブチュッ!クチャクチャ!
ゲンナディーも黒豹もズタズタに食い荒らされて消えていく。
彼等の激痛と恐怖の絶叫はいつしか甘い呻き声に変わっていた。
「あぁ…あああっ…」
「グオオォ…」
既に原型を留めぬ肉片になっているというのにゲンナディーと黒豹の快楽の声だけが響き渡る。そして最後に残った陰茎と陰囊が激しく活性化し、ドビュウッ!と濃縮され黄ばんだ子種を撒き散らす。
最後の絶頂を迎え、ゲンナディーと黒豹は事切れた。唯一殆ど食われずにいたペニスもあっという間に消化されてしまった。
こうして、ゲンナディーと黒豹の群れは全滅した。
虫によって死んだ彼等の魂がどこに行くのかはわからないが、少なくとも天国ではない事は確かだろう。
既に化け物と化していた黒豹達の魂は虫の犠牲者となったゲンナディーや兵士達の怨霊を引き連れて、さらに深い闇へと堕ちていった。
悪魔を孕んだ聖母、という本当の意味はこれであった。発生する虫が悪魔なのではなく、虫の犠牲者が魔物へと変異していくのだ。
黒豹と化してしまった者を救済していたゲンナディーも、もう二度と元の人間に戻ることはない。赤黒い獅子の頭部に筋骨たくましい人体を有する化け物となった彼は深紅の瞳を輝かせ、獰猛な吠え声を放った。
「グルルル…ガルル…ガウゥッ!」
その咆哮に応える様に、黒豹達は一斉にゲンナディーに群がっていく。
彼等は、かつてゲンナディーだった赤黒い獅子の魔物を新たな主として受け入れ忠誠を誓ったのだった。黒豹達の舌や手がゲンナディーの身体を這い回る。
雄獣の体臭が漂う中、ゲンナディーは獣のように喘いだ。
「グオオッ…ウガアァ…グアアッ!」
黒豹達もまた、獣となって愛撫を続ける。

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