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悪魔を孕んだ聖母達
官能リレー小説 - SF

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悪魔を孕んだ聖母達 17

「おい、大丈夫か?」
「フゥーッ!フーッ!フーッ!」
彼等は必死に呼吸を整えようとしていた。極限状態なだけでなく、自身の変化に頭がまだ追いついていないようだ。
そんな彼等の姿は哀れですらあった。
彼等はこれからずっとこのままなのだろうか? そう思うと放っておけなくなった。
こんな姿になってしまっても元は人間だった者達なのだ。
ギンギンにそそり立たせていた黒いペニスがようやく萎え始め、ドクドクドクドクと勢い良く我慢汁を垂れ流す。地面には粘ついた水溜りが出来ていた。
「とりあえずは股間を隠したらどうだ?」
「ウゥ…」
彼等は言われるままに手で隠そうとしたが、手が陰茎に触れた事により再び性欲が沸き上がってきたようで、またすぐに力強く勃起してしまった。



「あれ?誰かしら」

猟師小屋にいたシータやカルラ達は、外の妙な気配に気づいた。
まさか追手か?どうなるのかと、彼女達に緊張が走る。
屋根裏部屋の窓から恐る恐る外を見たエイミーは、猟師風の男が近づいてくるのを見た。
単なる猟師か?それとも…ようやく使者がきてくれたのか?
期待と不安が交錯する。

次の瞬間、黒豹の頭を持った異形が彼に近づいた。
どうすれば、いいのー!!!というのがカルラ達の正直な気持ちだった。
この時、誰も大声をあげてしまわなかったのは奇跡だろう。
シータは猟銃を持ってきて、カルラ達にも拳銃や刃物を配る。
「あんな化け物までいるなんて……」
クリスが嘆く。自分達も生命倫理なんてあったもんじゃない実験に使われていたのだから、あんな獣人も造られていたとしても納得がいってしまう。
彼女たちが固唾を飲んで見守る先で、猟師風の男が威嚇発砲して黒豹の獣人を下がらせていく。
ひとまず、小屋からは見えなくなった時、ようやく全員が少し緊張を解いた。

「今の人…何だったのかしら」
「私たちの手紙を読んでくれた使者かもしれないけど、あの黒豹の怪物がいたのではどうにもならないわね」
「どうなるかわからないし、とりあえずこれでも飲んで落ち着いてくれ」
カルラ達が不安がっているのを見て、猟師のシータがホットココアを配った。
温かいココアが、彼女たちの不安を解きほぐしてくれる。



やっと小屋近くまで来たのにな…

戦車の近くまで戻ったゲンナディーは、目の前の男達をどう宥めるかをまず考えざるを得なかった。

「フーッ」
「フーッ」

勃起した彼らは、目の前のゲンナディーに、救いを求めているようにも、欲情しているようにも見えた。
そんなぎりぎりの状況は、唐突に破られる。

キチキチキチ……
羽音が聞こえてきた。

「虫か?」

ゲンナディーが見たのは、一匹が人間の頭ほどもある昆虫のような生物だった。
それが、数匹で飛んできたのだ。
虫たちの一匹とゲンナディーの視線が合う。
「まさか……」
虫たちは無差別に襲い掛かってきた。

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