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悪魔を孕んだ聖母達
官能リレー小説 - SF

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悪魔を孕んだ聖母達 15

その時だった。戦車のある辺りから何やら音がした。
慌てて振り向くとハッチから何か黒いものが飛び出していた。
それは明らかに複数人の腕であった。だが、色は闇のように黒い。
それらが戦車から這い出ようとして動いている。
やがて、それらが姿を現す。
戦車から出てきたのは異形の存在だった。
青黒くなった肌に黒豹の頭部、しなやかな筋肉に覆われた体躯。
戦車の中には素っ裸で射精を繰り返す正気を失った兵士しか居なかったはずだ。それなのに何故このような存在が戦車の中から現れたのか。
「中の連中が全員あの黒豹の化け物にされたってのか?」
信じられないがそうとしか考えられなかった。
全身を薬液にヌラヌラと濡らした黒豹達のペニスは未だに天高く反り返っていた。
「なんてことだ…」
思わずそう呟いた瞬間、黒豹達は一斉に襲いかかってきた。
「グオオッ!」
咄嵯に身を翻しその場を離れると、先程まで自分が立っていた場所に奴等の爪痕が刻まれた。
一撃でも食らえば即死だろう。
彼等を猟師の家にまで引き寄せるわけにはいかない。目的地はすぐそこだというのに、ここで立ち止まるわけにもいかなかった。
ゲンナディーは猟銃で彼等のすぐそばの木を撃ち抜いてみせた。
眉間や心臓に命中させようかとも思ったが、獣と化した彼等が仲間を殺された事で凶暴化する可能性を考えてまずは警告をしたのだ。
「止まれ!これ以上近づいたらお前達を殺す!」
当然、それで大人しく引き下がるような相手ではない事は分かっていたが、それでも言葉による対話を試みた。
「グルルルルッ!」
案の定というべきか、黒豹達は興奮した様子で牙を見せながら低く喉を鳴らした。
一応人間だった時の知識は残っていたのか猟銃を警戒しているようだ。先程のように飛びかかろうとはせず、一定の距離を保ったままこちらの様子を伺っている。

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