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神になろうとした男
官能リレー小説 - SF

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神になろうとした男 6

ジョンには分からなかった。とにかく話を続けてみる事にする。
「お、おう、魔王軍って何の事だ?」
「我々が所属し、戦う相手です!」
「いや、それは知ってるが……」
ジョンはさらに困惑してしまう。この男は一体何を言っているのだろうか?
「私は魔王軍の戦士でした! 名前は『ルバト』と言います!」
「…ん?」
聞き覚えのある名前が出てきたような気がして首を傾げるジョン。
「ちょっと待ってくれ、今思い出すから」
何か引っかかるものを感じつつ記憶を探る。
だが、中々思い出せないので話を切り替える。
「所属し、戦う相手と言ったな?それはどういうことなんだ、魔王軍の一員なのに戦うのか?」
「はい! 我々は魔王軍の傘下にあり鍛えられ強くなった時、魔王軍と戦う権利を得るのです!」
ますます訳がわからなくなってきた。ジョンは頭が痛くなって来た。
そもそもなぜ魔王軍とか言う得体の知れない連中の話が出てきてしまったのか。
ルバトの姿を見る限りで、人外や魔物の類には見えない。
魔王軍というのは不死隊や大陸軍のような単なる呼び名ではないだろうか?
知らずに過度に恐れるよりも、編成や装備やドクトリンを知れば手を打てるかもしれない。
「つまりお前は魔王軍の一番下の軍隊に居て、そこで強くなった人間は魔王軍と戦うというわけだな」
「そうです! 我々は選ばれた存在なのです!」
「…うん、よく分かった。ありがとうよ」
とりあえず納得する事にした。これ以上聞いても無駄のような気がしてきたのだ。
それにしても魔王軍の所属でありながらその魔王軍と戦うために強くなろうとしているとは、なんとも不思議な連中である。
ジョンは考えるのをやめると、ルバトと名乗る男にレーザー銃を向ける。
今は捕虜として大人しくしているが、いつ暴れ出すかも分からない。油断はできないだろう。

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