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神になろうとした男
官能リレー小説 - SF

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神になろうとした男 5

門の向こうは露出の多い服を着た若い娘ばかりだった。
ジョンにとっては良い光景ではあったが、なぜかどうも良い気分がしない。
確かに可愛い子だらけなのだが、誰もが暗い表情をしている。まるで終末が迫っているかのような。
笑っている人間が誰も居ないのだ。なんだかジョンまでも気分が滅入ってきた。

そこで重要な事を思い出した、捕虜の黒い鎧を着た大男はどうしようか?
縛っているとはいえ彼を村に入れると危険な気がした。
とりあえず、そばにあった小屋(見張りの為の休憩所らしい)に押し込むと鎧をはぎ取る。
出来る限り捕虜の防御力は減らしておきたかったのだ。鎧は武器にだってなる。
ジョンは大男を適当に吊るすと、銃を突きつけながら鎧を剥いでいく。
随分鍛えられているようだった。どこかの雑誌で見た古代の戦士のイラストのようだ。
それくらいの筋肉が無ければこんな鎧は着ていられないだろう…。
男の方はもう放心状態といった状態でぐったりしている。気絶はしていないが、抵抗も見せない。
「さて…」
一通り武装解除が終わると、ジョンはその大男に話しかける。
「おい、お前は何者だ?」
「…」
返事はない。完全に放心状態なので、まあ仕方がない。
ジョンは更に質問を続ける事にする。
「あの連中は、お前の仲間なのか?」
「…」
やはり反応が無い。これは困った。
ジョンはこの手の尋問はあまり得意ではない。
彼は今までそういう事は殆どやってこなかったからだ。
しかし、この男から色々と情報を聞き出さなければならない。
「じゃあ、質問を変えるぞ」
そう言ってジョンは少し考えてみる。何を聞けばいいだろうか…?
「えーっと、そうだな…」
そして、思いついた事をそのまま口に出してみた。
「お前らは何の為に戦っていたんだ?」
するとその瞬間、男が急に顔を上げて喋り始めた。
「魔王軍です! 我々は魔王軍に所属していました!」
「うおっ!?」
突然の大声に思わず後ずさってしまうジョン。
どうやら意識を取り戻したようだ。だが、なぜ急にそんな事を話し始めたのか。

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