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神になろうとした男
官能リレー小説 - SF

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神になろうとした男 4

母親に聞いた幻の国の話も、火星軍で聞いた莫大な天然資源の話もそれらの一つに過ぎなかった。しかし、幼いジョンはその話を心をときめかせて聞いた。そしていつか自分もその幻の国に行ってみたいと思った。
ジョンの行動の根底には、そんな幼い頃の夢があったのだった。

「あれは…人!?」
大河の上空にさしかかった時だった。ジョンは河辺に十人ほどの人影らしき物を見つけた。高度を下げていく。この時代の飛行艇は無音なので、かなり近づいても気づかれない。
「あ!大変だ」
何とそれは裸の若い娘達と武装した男達だった。
男達は黒い鎧のような物に身を固め、剣や槍や斧を手に娘達に襲いかかっていた。そばには娘達の物らしき服が落ちている。おそらく水浴びでもしていた所を襲われたのだろう。
「助けないと!」
ジョンは飛行艇を上空で停めると、窓を開けてレーザー銃で男達を撃った。突然上空から襲われた男達は成す術も無く次々と倒れていった。弓矢を放った者もいたが飛行艇までは届かない。
ジョンが全員を倒した時には既に娘達は影も形も無かった。
一人の男がまだ生きていたので傷の手当てをして捕虜にした。
「○△□!!」
男はしきりに何やら叫んでいたがジョンにはサッパリ分からなかった。
河辺から少し行った所に10戸ほどの小さな集落があった。おそらく先ほどの娘達の村だろう。村全体が木の柵で囲まれている。所々に見張り塔らしい高いヤグラもあった。
「どうやらこの辺は村同士で争ってるらしいな…」
ジョンは飛行艇を森の中に隠して地上から村に入る事にした。村人を恐がらせてはいけないと思ったからだ。
捕虜にした男と一緒に村へ近付いていくと塔から矢が飛んできた。
「何だ!?俺は敵じゃないぞ!女達を助けてやったんだ!」
地球語で叫んだが通じる訳がない。応戦しないとこっちが危ない。ジョンはレーザー銃を構えた。その時だった。
「待ってください!◎◇▽□×!!」
一人の男が塔の上から地球語とエリアス語で叫んだ。弓矢の攻撃が止み、ジョンも銃を下ろした。
「ありがとう!地球人か?」
「そうです!今、門を開けさせますからね」
そう言うと男はまたエリアス語で何か言った。たぶん『大丈夫、この人は敵じゃない』とかいう意味なのだろう。門が開いた。

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