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機動装甲警察 ガイアスワット
官能リレー小説 - SF

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機動装甲警察 ガイアスワット 10

つまりそこまで身体が変異しているのだ……。
「……ヘンリエッタ様、遅れましたわ」
メイド服を如何に日常着用しているフレームレス型眼鏡をした女性はスカートの裾を摘み少し上げると手榴弾が転がっていく。ピンが外れた手榴弾が爆発……ピックアップトラックに居た女性が叫ぶ。
「クソメイド、派手にパイナップル転がすな!」
「この際多少の損害は大丈夫でしょう」
いかにも育ちが良くないと初対面の人でも太股まで裾がカットされたジーンズに女性用タンクトップにガンホルダーなら育ちが良くないとお判りだろう……救いは可也のナイスバディで人相さえ我慢すれば美少女、対して手榴弾を複数転がしたメイド服を着た少女は一見して清楚に見える……が、彼女もまた半生は悲惨で数年前までは生と死が常に交わっている場所にいた。
「ベルタ、レディ……ごめんなさい、相手を焦らし過ぎました」
「そのようですね。でもどの道中州でトラブルされたらサムライに簀巻きされて河に浮きますから」
「……」
最も中州の隣にある那珂川は常に水量がある訳でもないし、サムライならこの場所で速やかに処分するだろう……彼はそうやって中州を守ってきた男だ。
「これって浸食型生体侵略兵器?」
「本人は獣化変異と知らされていたでしょうね」
拾ったアンプルを見たヘンリエッタに二人は頷く。浸食型生体侵略兵器はアビリアンが持ちこんだ生物兵器の一つで現地に居る生命体を意のままに操る……しかも生殖器の様なフォルムは心理面でも有効である故に所有でも重罪になりかねない。
『三人ともSES使用許可が下りてます。当該地区の封鎖は完了』
三人は電子手帳を操作するとSESが作動する。ただし丈達とは異なり頭部マスクが無いタイプで例えるなら特撮ヒロインの様なスタイルだ。競泳用水着を思わせるボディースーツに胸部と腰部をガードするアーマーが装着、目にはゴーグルタイプの器具が装着された。
「オンナァアアアア!オカスァアアア!」
触手化した無数の男性生殖器が襲いかかるが三人は散会する。その間にESを装着したノンキャリ隊員らが到着し援護射撃をする。アンチマテリアルライフルとグレネードランチャーガンを雨霰に叩きこむ。粘液丸出しなら急激な乾燥は激痛を引き起こすのだ。
「ぐぁああああっ!」
ベルタ、レディ、ヘンリエッタは示し合わせたように攻撃をしていく。
「触手がありあらゆる個所から出てくる」
股の中央のみならず頭部や手先から背中からも出てくる……ここまで変態が進むのは宿主の心臓が長くは無い。
ウィルスは“寄生先”が選べない……まだ真空や宇宙空間なら冬眠出来るが地上では難しく、変異を起こさない限りは生存は無理、仮に変異しても兵器として役に立たない雑菌になり果てる事もある……アースフォースが地球を防衛できたのもアビリアンが培って来た生物兵器の要になるウィルスは全て人為的に操作されたので寄生以外での増殖が難しく兵器の脆弱さが出ており人類と言う高等生命体を極力減らしたくないアビリアン側の思惑もあったとも言える。
「粗悪品ですね」
ベルタの言葉に怒りが籠るのも無理は無い、こんなものを回収しきれないガイアスワットコリアやガイアスワットチャイナの職務怠慢ぶりは余りにも酷い。最も国民性や民族性から当初から期待はしてない……。

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