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機動装甲警察 ガイアスワット
官能リレー小説 - SF

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機動装甲警察 ガイアスワット 30

数時間後、騒動は収まったが翼竜の死体回収していた。
「シュトルムハムズ坊主直々に対処ねぇ……随分とまあ派手にやったね」
母星政教の大教会にて大シスターは中庭に堕ちて来た翼竜を手早く血抜きしている彼に向けて言う。
「ハランダム婆様、仕方ないさ……こいつらは寄生侵蝕生物の母体にもなるからな」
「そうだったね……」
「彼女達の様子は?」
「未亡人らは落ち着いているよ」
ハランダム大司母も担ぎ出された一人でありシュトルムハムズとは彼が赤ん坊の時から知っている間柄だ。未亡人とは先代皇帝の妃らの事である。何れも子供を亡くしている。
実家も困窮している所も多くこの教会に住みつつも孤児や浮浪者の支援をしている。こうして余生を過ごした方が得策なのだ。
「陛下!!!引き渡してきたよ」
「リティ、よい子だ……うん?発情しているのかぁ」
空から降ってきたネコミミ少女は陛下に飛びつく。
「イロコイなら余所でやりな」
ハランダムはぶっきらぼうに言う。


宮殿に戻ってお付きの者らから経過を聞く。何れも渋い顔だ。
「仮想敵国との繋がりはないのか?」
「単に材料集めと……」
「後は頼む」
シュトルムハムズは居住エリアに足を運ぶとリティが待っていた。先程のビキニアーマーを外して軽めの礼装をしている。普通なら夜会が開かれるが今の状況は無理なのだ。
「リティ、よくやったな」
頭を撫でてやると喜ぶ表情が愛らしい。
「うん人的被害も最小限度だったし……奴隷商人が潜り込んでくるなんて」
「アビリアンの可能性は?」
「繋がりはあると見るべきでしょうな」
先程の老練騎士は言う。流石に諜報畑を歩んでいるとあって何時の間にか居る。
「アビリアンなら彼女に尋ねてみるか……」
「アレドッサ様には陛下の名で奴隷商人の身元を探る様に伝えてます……」
「仕事が早い……」
「それが彼女の臣下が帝都に居まして……既に通してます」
一度サシで話してみたいと思っていた所だ。

数分後、アレドッサの側近である爺やはこの上なく緊張する。王宮の可也奥まで通されるとは想定の外、精々王宮の謁見の間と思っていたが奥宮の謁見の間なんて自分の身元で入れるとは思いもしなかった。
「顔を上げてくれ……この度はご苦労であった、そして急な呼び出しは申し訳ない」
「ははぉ!!!」
「彼女の報告書は全部見たよ、一度は話してみたいもんだ」
「もったいないお言葉……先程の騒動の主犯に関しては早速探ってみます」
「頼む、単なる奴隷商人なら杞憂で済むが……これが軍事侵略の探りなら」
爺やも真意を知って愕然となる。アビリアン残党の中には他国の侵略を考えている者も少なくは無い。
「アレドッサの安全を優先に、こっちも動きたいが帝都の再建で手いっぱいだ……」
陛下はため息交じりで深刻な表情になる、この分だと皇帝の座も投げ出したい気分になっているだろう。
「それと危ないと感じたら何時でもな、他国が利用される可能性もあるからな」
既にアレドッサの次元航行船は登録されていると言う。
「暫くは滞在出来るのだな?」
「はい」
次元ゲートが安定しないので数日は覚悟するだろう。


シュトルムハムズは想いもかけずに事が進んだ事に上機嫌だ。
「リティ、どうみる?」
天井から降りて来たリティは言う。先程の会見で爺やの思考を探っていたのだ。
「アレドッサ様命って言う感じね……」
「彼女は恵まれているな……羨ましいもんだ」
「私じゃダメ?」
膨れる顔が可愛いので彼も女には興味がないのだが……先程から表情が蕩けている。
「サウザット、後は頼む」
通信を入れておく、本当に仕事中毒に困るのでそろそろ家庭を持たせる必要もある。

王宮の奥宮にある“愛の間”……所謂夜の遊戯に使う部屋だ。

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