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機動装甲警察 ガイアスワット
官能リレー小説 - SF

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機動装甲警察 ガイアスワット 29

「皇帝陛下……もったいないお言葉と言いたいのですが、彼女達で十分と言うのは少々……」
お付き者に傍に居るメイド長も困惑するも皇帝陛下は平然と言う、若い頃から愛用している年期モノの対魔獣ライフルにカートリッチを装填しながらである。
「家庭持つ余裕があると思うか?」
それは到底無理である、何せ自分は担ぎ出された廃嫡だ。お妃選定すら臣下らの政争にもなりかねない事はメイド長も分かる。今の臣下らの親の世代は銃を手にして争ったのだ……メイド長も半世紀も王宮に居ればそれなりに政治にも敏感になる。
「それにな、こいつらを王宮の外に出さない方がな、元皇子だったとは言えな……」
明確に言えば先代皇帝の遺産、何れも一族の反逆容疑により人権を剥奪された。とは言えバイオポットと比較すればまだ人間に近い。
異なるのは生殖機能を無くした程度であり外見上から見ると生物学上雌雄の判別すらつかない、即ち女性ホルモンを多量に含んだナノマシンにより豊胸と豊尻された身体、そして少年の一物は寄生侵蝕生物により全身陰核化、尻穴も寄生侵蝕生物の身体の一部が喰い込んでいる影響で緩んでいる。
「はぁ……」
「為息つきたいのも分かる……さてと馬用意してくれ」
「はい?」
「こいつは帝都の様な場所には普通は寄りつかない種だ……今の守備隊には駆除は出来ない」
お付きの者も辺境に棲む生物には疎い……が、皇帝陛下の表情は危機感に溢れている。
「た、ただちに!!!!」
それと同時に伝達兵が来た。
「申し上げます!翼竜の集団が西エリアに……」
「人為的に綾っている奴が居るな……近衛騎士に伝えろ。獣使いを無力化させろ」
「はっ、既に近衛騎士の幾人かは展開してます」
「翼竜は俺が始末する、他の兵士らは市民の安全確保を優先!」
皇帝陛下の愛馬が用意される……辺境ではよく使用される軍馬に近い馬だ。黒く馬体に草臥れた馬具、新調する気は無い……彼は根っからの狩人なのだ。
「へ、陛下ぅ!危険です!」
手早く乗り込むと対魔獣ライフルを担ぎ手綱を操作する。
「メイド長、手が開いている者に救援と炊き出しの準備、サウザットは被害状況の纏めとマスコミ発表も」
「ははっ!!」
皇帝陛下は颯爽と向かう。
「−陛下っ!!!リティだよ!!!翼竜が狂っている!!!−」
インカムから近衛騎士に任命されたリティからの通信が流れた。この少女は辺境地区出身の獣人族の出であり狩猟仲間だ。本来なら帝都に住む資格もないのだが近衛騎士も戦乱で根絶してしまった所もあったので現皇帝一代限りで任命された。
彼女の様な獣人が近衛騎士に任命は前例無いが現皇帝のシュトルムハルスは廃嫡故にお付きの者も持たなかった、しかしながらリティの家柄を辿ると百年前に騎士として根絶した名門家の子弟と判明、どうも反乱容疑により獣人化され辺境を転々としていたようだ。
「リティか……翼竜を操っている連中分かるか?」
「−探ってみるー」
通信が切れると同時に市中に出ると同時に控えていた近衛騎士数人が馬を操作して接近する。
「陛下……これは」
「西エリアは孤児やら浮浪者が多い……これが身内か外敵かは後回しだ」
そのエリアは宗教施設が集まっており戦乱時にも比較的戦闘が控えられたエリアだ。それ故に戦乱で身寄りが無くなった孤児やら職に溢れた者が住み着いている。
「陛下、くれぐれも無理は禁物ですぞ」
「わかっているさ、所で翼竜撃った経験は?」
「あります」
老練の騎士は愛用の対物ライフルを構えるなり撃つと急降下してきた翼竜の頭部を破壊、そのまま落下しシュトルムハルスらの後方に堕ちて来た。
「ただ陛下の様に売り物にはなりませんが」
「十分だ、撃ちまくれ!!!!」
今は市民の安全確保が優先なのだ。
「−陛下!見つけた!!!!こいつらだー」
空間ウィンドウにネコミミ少女が映し出され不埒者の首根っこを掴んでいた。
「−後でご褒美ね!!−」
「陛下に向けて……」
「彼女のお陰で近衛騎士らのイメージが回復しているんだ」
若手の一人はため息まじりでトリガーを引いた。

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