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機動装甲警察 ガイアスワット
官能リレー小説 - SF

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機動装甲警察 ガイアスワット 26

醜くいと同時に恐怖感を持つ“凶器”……それはゴブリンにも効く品物だ。一説には元になった人類種の遺伝子情報が残っているとも言われている、ゴブリン型怪人の使い道は占領した地域に放って“略奪”させる、人間に近い種で繁殖するようになっているのだ。
「これで最後だ」
地面をのたうち回っていたゴブリンを足で踏みつける……踵にあるアンカーがゴブリンの身体を貫通し頭部をヒートコンバットナイフが突き刺さった。



数は30匹……まっ、繁殖する前に駆逐出来たのが御の字だ。依頼元はよく理解してくれたと思う。
「ガイアスワットの方も首尾よく行ったようだな」
「そのようだね……こちらもマスター処分出来たし」
マスターとはゴブリン型怪人に偽装した怪人だ、まあゴブリンらを操る特殊な個体と言うのがクリーチャーハンターの認識らしい。スナイパーも彼との付き合いは左程長くは無い……メディウムが一番付き合いが長い。年齢は地球人類で置き換えて二十七歳で十年近い付き合いだ。
「何がともあれ地球での仕事実績が出来てよかったですな」
“ドワーフエンジニア”がヤレヤレと言う感じで言う。彼は潜入した施設内のネットワークの遮断や欺瞞情報をマスターに送り続けたのだ、
「うむ、アビリアン終焉の地と聞いていたのでどれほど荒れているかとおもってましたが」
“ドラグーンモンク”は近接戦闘のエキスパートであり外見から見ても龍人に近いが地球で言う爬虫類に似た種からの進化した種族だ。
「あの報告に行きましょう……」
メディウムが言うとクリーチャーハンターは頷く、西洋甲冑に似たフォルムだがサイボーク化している……メディウムも詳しい事は知らないが幼少期にアビリアンが使ったゴブリンらに故郷を蹂躙されたらしく強さを追い求めた結果今の姿に……アビリアンが滅びたとは思っては無いのだ。
もはや、脳が潰れるまでゴブリンタイプの怪人を追いかけ殲滅する……ただクリーチャーハンターと言う通り名になっているのは他のクリーチャー(怪人)でも難無く駆逐するからだ。それでもゴブリンに固執するのは幼少期のトラウマが最早修復不可能であるのだ……メディウムの本職はネィスアース世界で広く信仰されている大地神官である、本来は何処かの神殿に勤めているのだが修業としてクリーチャーハンターに付き添っている。
最も本拠地である上級神官職からは良い目で見られてないし、彼女もまた何処かの神殿で信者に寄りそうつもりはない。孤児であり乳児の時に大地神殿に置き去りにされていた……親に繋がる持ち物も身体的特色もないが良くある事らしく神官らは現地自治体に届け出をした後に運営する孤児院で育てられた……やがて神官らはメディウムが棄てられた理由を知る事になる。それは強大な力秘めた怪人の原材料になる筈であった、成長しサイキック能力が確認されるとネィスアースの専門機関で細部に渡って調べた結果、彼女は修業と称して軍に身を置く事で育ての親である神官らから離れる事にした。

「……報告は以上になります」
「ありがとうございます、報酬は既に振り込んでいるので……レポートも読み易い」
ガイアスワット日本支部局の局長室に通されたメディウムらはホッとする。
異星人や別次元人に対する差別や偏見憎しみすら露骨に感じる事もあるのだが刈谷と言う方は現場の喜怒哀楽を知っているのかアポ無しで訪ねて来てしまったが通してくれた。
「暫くはここに滞在して貰っても……次元航路が安定してない」
「仕方あるまい」
クリーチャーハンターはメディウムの顔を見る……明らかにオーバーワークだ。顔は必死に冷静さを保っているが刈谷や同室に居る十津川から出る雄の匂いで飛びそうになっているだろう。


彼らが使用する多目的用途次元航行船は貨客船を改造した船舶だ。クリーチャーハンターらを初めとする大勢の傭兵らが使用する宿でもある。今は東京湾沿岸にあるガイアスワット日本支部局の港湾施設に停留させて貰っている。
「あら、お帰り……レスナ、また雄酔い?」
「ああ……局長とやらは未だに現役らしい……」

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