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機動装甲警察 ガイアスワット
官能リレー小説 - SF

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機動装甲警察 ガイアスワット 22

アレドッサの選択は正しく、皇帝の側近らからも何も指示が無かった……最も皇位継承者が彼女を含め三桁も存在しているので全員知っている民衆を探す方が大変だ。軍内でも正体が判明した時には彼女が事情を説明して参謀部の総責任者さえも“聞かなかった事にする”で事なきを得たが参謀部が皇室庁にクレームを入れたのは言うまでも無い……彼女は軍曹まで上り詰めた所で退役、そして次元航行船を手に入れ傭兵として地球がある次元世界へと来たのである。まあ他の皇位継承者らも数人アビリアン皇帝の元で名を上げようとするもアースフォースに“怪人”として駆除された……アレドッサは全員の最後を知っており報告を入れている。その後は報復行為をする事は無かったのは侵攻すれば地球の後ろ盾であるネィスアースとの全面戦争になる事は見えていたのだ。

「マヤ、やっぱり貴方も持つべきよ……」
アレドッサの視線は黙々と作業するネコミミ型ヘットギアとキャットテールを装着した少女“アニマロイド”を見る。アクメィクス器官付は非常に高価でありマヤの身分が持つべきではない。
「……せっかくですが、自分にはもったいないです」
「元教師だからまだ迷いがある……でももう人間では無いわ」
アレドッサもマヤの事情を知っており同情するしかなかった。
「他の幹部らには一匹ずつ持っているのに?」
「はい」
マヤは幹部とは言え戦闘能力は低い、が商才はある。このままでは危ない、アレドッサも常時ここに居る訳でもない……。
「立ち話はなんだし、港に移動しましょ」
港、それは次元潜航船らが駐留されている場所である。


アレドッサの次元潜航船“タルマエス”は年代物の外装だがシステムやメインエンジンは最新鋭に換装している、地球の乗り物で例えるなら“大型クルーザー”か“大型外洋客船“と言った所だろう。非公式だが皇室庁や参謀部からも諸費用の一部が捻出されているが後はアレドッサが幼い頃から持っている証券や貯蓄に軍人時代の積立をつぎ込んでいる。
「アレドッサ様……何もこの様な場末の所に」
「失礼ね、場末だから情報が集まるのよ……爺や」
老人に見えるが片目で精悍な男は全身を覆うコートを着たマヤを見て直ぐに膝をつく、そのコートはアレドッサが送ったモノであり、本来ならあの一家の姉が着る筈だった品物だったのだ。
あの後は使用人何人かはアレドッサの両親が再雇用しており、親友の世話係が密かに持参していた品物……当然だがあの一家が持っていた品物は全て破壊されている、記録上は……それを持つのは表沙汰になると罪に問われる事もある。使用人は危険を冒してまでアレドッサに託したのだ。辛すぎるが皇族の血を持つ者としては使用人の覚悟と行動に答えるしかない。爺やはそれを分かっていたのだ。
「マヤ様、私がアレドッサの執事でございます」
「……」
「アニマロイドの事ですが……この案はどうでしょう」
マヤは空間デスプレイに示された計画案を見る。それはあの事件の際に最も気にしていた女児であった少女だ。
「バイオパペットに彼女の行動パターンと心理パターンをインプットさせます……バイオパペットは地球の技術では見破る事は不可能です」

アビリアンがはっきりと認識された今ではリスクを背負う、だが余りにも人を浚い過ぎると状況次第では失踪騒ぎを起こすと協力者や潜入している幹部にも不都合になる。そこで精巧なクローンに人工生体脳を組みこんだ“バイオパペット”を用いた。行動パターンと心理パターンをインプットされた人形と言った所だ。
「貴方が教師の職を解かれ冤罪によって投獄されたのは学級崩壊によるものですね、そのきっかけが虐めであった……彼女はその被害者」
自分としては毅然とした対応したがこれが加害者の保護者らの反発を買い、言われも無いセクハラ事件で実刑になった。それが身に覚えが無い不祥事……そして今に至る。
「貴方がアビリアンの幹部になった時に真っ先に彼らを捕まえた」
既に中学生になっていたがそれでもよかった。
「何れにせよ彼女を地球に戻しても待っているのは差別です、既に彼女のモノも作動してます」

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