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寄生侵略者
官能リレー小説 - SF

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寄生侵略者 11

彼等も限界が近いのだろう。大きく膨張した陰嚢は今にもはち切れそうだ。
触手のうねりに合わせて亀頭を上下させるその動きはいつしか全てが同じリズムになっていた。まるで機械の様に正確に繰り返される動き。
そして、遂にその時が訪れる。
男子生徒の腰が一際突き上げられると同時に、彼等を埋没させていた触手が縮むように地面や天井に収納されていく。触手が無くなっていく事により、男子生徒の肉体が徐々に露わになっていく。
すっかり灰色に染まったその身体を艶めかしく輝かせながら、彼等は両手両足を大きく広げた姿勢のままその場に留まっている。体を固定する触手が無くなったというのに落下する事無く、空中に浮かんでいるのだ。
その異様な姿を目の当たりにしても不思議と恐怖心は無かった。むしろその淫靡な姿に見惚れてしまっていた。
そして、男子生徒達のチンコに入り込んでいた触手が精巣に吸い込まれるようにして見えなくなった。
直後、ドクンと大きな鼓動音が響き渡り俺の頭に奇妙な衝撃が走る。
混乱し薄れた記憶の中で、誰かの存在が引っかかり始める。
「うっ…」
頭痛と共に浮かび上がってきたのは一人の少年の姿だった。人間捕獲器が教室に乱入してきた時に俺は最後までその少年を庇い、そして共に吸い込まれて行った。
だが、それ以上の事は思い出せない。あの時教室に居たということはクラスメートだった筈なのだが、顔も名前もそして何故彼と行動していたのかもわからない。それどころか、俺自身が誰だったのかすらも曖昧になってきている。
「お、俺は…」
必死に思い出そうと努力するが、何もかもが霧がかかったようにぼやけている。これから先結局思い出せないまま事態が進んでいくのだが、この時の俺はそんな事を知る由もなかった。
「俺の名前は…くそぉ、ダメだ。全く出てこない…」
俺が悩んでいると、宙に浮いている男子生徒達の肉体がゆっくりと回転をし始めた。まるで何かのショーでも見ているような気分だったが、これは紛れもなく現実なのだ。
俺は空中の男子生徒達をじっくりと観察していく。あの中に俺が庇っていた少年が居る可能性が高いからだ。
両手両足をX字に広げチンコを突き出して空中で回る男子生徒達の灰色の肉体は、まるで彫刻のように滑らかで美しく見えた。
俺の記憶はここで途絶えていた。忘れているのではなく、この時に眠らされるか何かして意識を奪われたのだと思う。
俺はこの淫らな悪夢から目を覚ました。

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