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寄生侵略者
官能リレー小説 - SF

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寄生侵略者 1

奴らは何の前触れも無く、月の裏側から現れ、地球はわずか一日で、大都市の殆どを破壊された。
無差別に行われる破壊活動の傍ら、奴らは大量の人間を拉致し、何処かへと連れ去って行った。
地球の支配権を奪われた人類は、地下へと逃げ隠れるしか、生き延びる手段は無かった。



俺は夢を見ていた。
何故だか知らないが、これは夢だと認識しながら夢を見ていた。
夢の中の俺は学生で、同級生と共に教室で授業を受ける、当たり前の風景の中にいた。
だが何気ない学校風景は唐突に終わる。
突然、もの凄い衝撃が身体を襲うと、窓際の壁が近くにいた生徒ごと、破壊され奴らの人間捕獲機が、姿を現した。
そして、怯え戸惑う生徒達を、次々と掃除機で吸い込むかのように、捕獲して行った。
同級生達が吸い込まれる中、俺は誰かと共に柱にしがみ付き、必死に耐えていた。
だが、また一人また一人と、同級生は吸い込まれて行き、ついに俺は庇っていた誰かと共に、捕獲機に飲み込まれてしまった。


そして夢はいつもここで終わる。
その続きは無く、意識が暗闇に溶けて行く。
そして暫くすれば、また同じ夢を見る、その繰り返しだった。


だが、今回は違った。
夢ではない激痛が全身を襲う、あまりの痛みに意識が無理やり覚醒する。

「……っ!」

息苦しさを覚え、ぼやける視界をそのままに、無我夢中でその場から、逃れようと身体を動かす。
柔らかな壁のような物を押し破ると、俺は一気に外へと流し出された。

「ぐえっ、げぇぇぇ…ゲホゲホっ!」

外へと流し出された俺は、体内を満たしていた、何かを吐き出すと、ようやく痛みから開放された。
そして濡れた顔を拭うと、初めて周囲の様子が見えて来た。


そこは全く記憶に無い場所で、辺りは不快な内臓のような、床や壁に囲まれた広大な部屋で、その中には俺が出て来たと思われる、有機的なカプセルが幾つも並べられていた。
カプセルの中には、性別年齢問わず多種多様な人間が裸で納められ、皆静かに眠りについているようだった。

「なんだよこれ……どうなって…んっ?」

辺りを見回し、カプセルの中身を確認していた俺は、あることに気が付く。
それはカプセルに、収められてる人間全ての身体に、ゴルフボール台の石が、胸の所に埋め込められていた。

「まさか!?」

慌てて自分の胸元に、手を当てると硬い物に指が当たった。
無理に剥がそうとしてみるが、痛いだけで剥がれる気配は全くなかった。

「とりあえずこれは後にして、今は何か着る物と、ここが何処なのか、はっきりさせないとな…」

だが改めて辺りを見回すも、どちらに行けばいいのか、さっぱり分からず、目の前のカプセルを眺めてしまう。

「この人達も、このままにして置くのは、何か不味い気がするけど……それはそうと……生おっぱいがこんなにあると……ムラムラしてくるな」

無意識に女性のカプセルを、見回していた俺の下半身は、カチカチに硬くなっていた。
このままカプセルから助け出せば、セックスできるんじゃないか?
そんな思いが生まれ、引き寄せられるように、目の前のカプセルに手が伸びる。
だが、あと僅かで届きそうな所で、奴らは突然現れた。

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