モンスターハーレム 65
「さっ!ささささっ、サルスベリさまっ!?」
「おわっ!?」
今回の騒動の張本人と名乗る女、サルスベリを見た瞬間、ナゾのウサミミ女は大慌てでオレの後ろに隠れた。
しかしウサミミ女の体格では当然、隠れることもできず。
オレを盾にするかのような格好になってしまった。
「こ、こらっ!?離れろっ!!」
「いいいい、イヤですっ!お願いですから見捨てないでくださぁ〜い!」
ワケわからん女に盾にされ、オレは何とか振り払おうとするが、肩を痛いくらいにつかまれているせいで離せない。
いったい何なんだ、この状況はッ!?
自分のため、奴隷のために来てみれば、顔面強打に体当たり、窒息、連続ビンタの強烈コンボをお見舞いされ。
オレの全力攻撃を受けてもピンピンしてるデカウサミミ女はミミと名乗り。
混乱しているところに出てきたのは、お子様サイズのなんちゃって学者?
作者が『今までにないパターンを!』とか言って、散々ワケわからん目に遭ってきたけど、これは極めつけだぞ!?
・・・イヤ、作者とか何を言ってる。落ち着け、オレッ!
「あー、混乱しているところ悪いんだが」
「!?」
パニックを再び起こしかけたオレに、サルスベリと名乗るお子ちゃまは声をかけた。
「さっさと部屋に入ってくれんか?
私にはムダにできる時間が1秒もないんでな」
そう言うと彼女はさっさと部屋に戻っていく。
呆気にとられるオレに大メイドが部屋に入るよう、促す。
「主はムダな時間を浪費されることがお嫌いなのです。
どうぞ速やかにお入りください。
・・・でなければ命の保障はできませんよ?」
・・・ここにはバカとキ○○イしかおらんのか。
オレはこの世界に生まれたことを後悔しながら部屋へ入っていくのだった。
サルスベリと名乗る女の部屋は、実に殺風景な部屋だった。
左側にはでかい本棚がいくつも並び、数人のメイドが本を片手にあちらこちらに移動している。
右側にはベッドが1つとこれまたでかい机が部屋を占領している。
机の上には本棚のものであろう、分厚い本が乱雑に捨て置かれており、他にも実験機材みたいなものが大量に転がっている。
そしてベッドの上ではいったい何をやらかしたのか、オルゾスが亀甲縛りで転がっていた。
ご丁寧にSMに使うギャグホールをかまされた状態で。
「むーっ!むーっ!」
「・・・あーと、サルスベリ、だっけ?
何でコイツは全裸で亀甲縛りだなんてマニアックな格好してるんだ?」
「ん?ちょっと興味が湧いたんで実験しようと思ったんだがな。
あんまり暴れるから縛ってやった」
・・・なんで全裸で、亀甲縛りなんて縛り方をしたのか、説明になってないが・・・。
見るなと吠えているのか、助けを求めているのやら。
かつて命のやり取りをした相手の無様な姿に、オレは一瞬何をすればいいのか、わからなくなった。