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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 66

「・・・というか、コイツは誰だ?」
「?? オルゾスさまですよ、ラグさま?」

ミミ(仮名)が突っ込む。
いや、わかってる。それくらいはオレにもわかる。
しかしなんでこんなに女らしくなってんだ?
オレの記憶によればオルゾスという女は、黒い瞳で白い髪をショートカットにしているボーイッシュなヤツだった。
しかし目の前の女は白い髪を腰まで伸ばしている。
おまけに気のせいか、水晶玉で見たときよりプロポーションがよくなってないか?
特に腰のくびれ。そのせいでスタイル全体がよくなったように見える。
一体全体、これはどういうことだ?
オレは次々と浮かび上がる疑問を解決するべく、オルゾスを解放しようと近づいたその時だった。

「・・・・・・っ!?」

オレは一瞬にして動けなくなった。いや、動くことをやめさせられた。
喉元に何者かがナイフを突きつけたからだ。
「・・・勝手に人質に手を出すなってか?」

視線の先ではあの大メイド改めアスタナビュートが、冷たい視線でこちらを見ていた。
いや、彼女だけではない。
動けないので見れないが、他にもいくつもの冷たい感触と視線を感じる。
おそらく部屋を駆け回っていたメイドたちだろう。

「勝手なマネをされては困ります。
 お客様たちの命は、ご主人様の手の上にあることをお忘れなく」
「・・・だからって貴重な実験動物を傷物してもいいとは思えんけど?」

その言葉に周囲のメイドたちがピクリと反応する。
バカと変人ばかりに付き合っていたせいで、オレはこんな状況下でも軽口を叩けるようになっていた。
真に不本意なことではあったが。

「ほう。こんな状況でもそんなことを言える余裕があるか。
 生まれて一日しか経っていないというのに驚異的な成長だな」

背後からサルスベリとかいう子供の声がする。
動けないからその顔色は見えないが、声の口調からして絶対にオレを小バカにしているに違いない。
畜生、オレだって好きでこんなになったわけじゃねえよ!
オレは内心そうツッコミたいのをガマンして、努めて冷静に言う。努めて冷静に。

「お褒めに預かり光栄だね。
 せっかくそっちの招待に応じたんだ、人質くらい気持ちよく返してもらえないか?
 お茶の一杯もつけてもらえると最高なんだが」
「ふふふ・・・いいだろう」

すると周囲からの冷たい視線が消え、アスタナビュートが突きつけていたナイフを引いてくれた。
おそらくやめるように合図か何かしたのだろう。
おっと、それより今は目の前のオルゾスを助けなくては!

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