モンスターハーレム 64
聞き覚えのある声だったんで、てっきりミミかと思ったが、ふたを開けてみればアイツとは似ても似つかぬ別人だった。
まず身長が違う。
オレの知ってるミミは小柄で、頭がオレの腹に来るくらいだったはずだ。
だけど目の前の女は背が高い。
オレと同じか、それ以上に見える。
それに髪が長いし・・・何より乳がデカい!
同じところと言えば、せいぜい頭から垂れるウサミミくらいだ。
コイツを俺の知ってるミミだと思うヤツはそうはいねえだろう。
ガラッ・・・べしゃっ、
「うきゃっ!?」
「ッ!?」
オレが彼女をいぶかしんでいる間に、謎のウサミミ女は壁のめり込みから解放され、地面に倒れこんでいた。
それで気がついたのか、ウサミミ女がマヌケな悲鳴と共にむくりと起き上がる。
「いたたた・・・。いきなり何するんですか、ラグさまぁ!」
オレの強烈な一発を食らったはずのウサミミ女はそんなこと言いながら、軽い足取りでこちらに向かって歩いてきた。
「加減してくれたから良かったものの、本気でやられてたら、ミミ、死んじゃってましたよぉ〜」
・・・手加減?キレてそんな余裕なかったのに?
・・・本気だったら?壁にめり込むほどの一撃だったのに?
あまりの光景に呆然とするオレ。
ミミと名乗る、この似ても似つかないこの女。
いったい何者なんだ?
「それは正真正銘アンタの奴隷だよ、救世主クン」
その時背後から女の声が響いた。
・・・少なくともオレの知っているヤツの声じゃない!
振り向くとそこには・・・。
「部屋を叩くノックにしてはずいぶんと派手だな。
待ちかねたよ」
そこには白衣を着た子供が立っていた。
身長からして年齢は・・・13歳くらいか?
白衣の下はビスチェと半ズボンといういでたちで、彼女が何者かわかっていなければツッコミの1つでも入れたくなるような外見だった。
「ご主人様!」
「うむ。ご苦労だったな、アスタナビュート。
自己紹介しよう。私がキミの奴隷をさらい、呼びつけた張本人。
名をサルスベリと言う。よろしく頼むぞ」
事態を飲み込めないオレに満足そうな笑顔を浮かべながら、ソイツはそうのたまった。