モンスターハーレム 210
反対派が徒党を組んで襲ってきているのに、オレを保護する立場のカグラがまるで動こうとしないこと。
これまでの状況が、オレに多大な不安と違和感を与え続けていた。
「禁忌の者、オレが造られる経緯、何でもいい。
オマエの知りうる全てを話してくれ」
「ふむ。では手始めに、禁忌の者についてレクチャーしてやるとしよう。
禁忌の者についてオマエはどこまで知っている?」
サルスベリはオレの胸にしなだれかかりながら聞いてきた。
それを見たミミたちはオレを取られると思ったのか、みんなベタベタと抱きついてきた。
女特有のやわらかい感触は気持ちいいのだが、こうも密着されると少々暑苦しい。
「禁忌の者は英雄クラスの魔物の屍を集めて作られること。
カグラの旦那も組み込まれているとか言ってたな。
あと封育樹とか言うナマモノで魔王としての知識と技術を叩き込む予定だったが、失敗したこと。
そしてオレは残されたメスの魔物を屈服させ、子作り製造機としての役目を持たされていること・・・だったかな」
オレは記憶を掘り返しながら回答。
いかん、このところあわただしかったから記憶があやふやになっとる。
「ふむ。だいたい合ってるな。ご褒美だ」
チュッ!
「あーっ!?サルスベリ様、ドサクサ紛れに何、キスなんかしてるんですかーっ!?」
サルスベリがオレの唇を奪ったことに、周囲の魔物娘たちから抗議の声が上がる。
「えーい、うるさいっ。
これくらいいつでもやってやるからちょっと黙ってろっ」
オレはそう言って手近な魔物娘たちに、キスしたり胸を揉んでやったりして黙らせる。
ったく、魔物のクセに人間みてーに年中発情しやがって・・・。
「ふふっ、モテる男は大変だな?
ところでオマエが何で禁忌の者と言われているか、そのゆえんを知っているか?」
「あ?そんなん、弱い魔物が強い魔物をいいようにすんのがよくねーからだろ?・・・うひゃっ!?」
オレが答えると、サルスベリは不敵な笑みを浮かべてオレの耳に舌をねじ込んできやがった。
初めて味わう感覚に、オレは思わず悲鳴を上げてサルスベリから離れる。
このアマ・・・!
以前は男に興味ありませんってツラしてやがったクセに、目覚めた途端にコレかよ!
オレが文句を言うより先に、サルスベリは口を開いた。