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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 200


何かを感じ取り、ほぼ同時に天井を見上げるキュリエルとサーク。
幹部たちはトップの突然の反応に、一瞬どうしたのかと驚くがすぐに彼女らも同じように何かを感じて天井を見上げる。
いや、彼女らが見ているのは天井ではない。
その先にある『何か』。
そこからとてつもない魔力を感じ、それに反応しているのである。

「ちょ、ちょっとちょっと!?何なのよ、コレ!?
 シャレになんないわよ、この魔力!」
「・・・ッ!まさか・・・あの出来損ないの仕業か・・・!?」

信じられないほどの魔力の量に、将軍クラスの2人すら驚きを隠せない。
幹部たちに至っては、完全に力に気圧されて言葉どころか身動きも取れない状況だ。

「一体、何が起こっている・・・!?」

オレが捕えた女どもを犯すための余興だとは予想だにしていない彼女らであった。

――――

同時刻、謁見の間。

「・・・ッ!」
「な、何なんだ、この魔力は!?」
「・・・どうやら『種』が芽吹き始めたようですね」

混乱の坩堝となった部屋で、魔王代行カグラがポツリとつぶやいた。
その言葉に周囲の側近たちが驚きに目を見開く。

「まさかっ!?あの者にこんな膨大な魔力を扱えるわけが・・・ッ!?」
「『種』は英雄と呼ばれた魔物たちの骸(むくろ)から作られ、不完全ながら『封育樹』の教育を受けています。
 可能性は十分考えられます」

肌がしびれるような力を感じながら、カグラは極めて冷静に口を開く。
そんな中、一体何人が気づいたであろうか。
カグラの口の端が、ほんの一瞬、わずかにつり上がったことを。
だがカグラはすぐに表情を元に戻すと、周囲の兵士たちに指示を飛ばした。

「我らの希望の『種』の存在を、まだ人間たちに知られるわけには行きません!
 至急、迷宮内にいる魔法兵士をかき集めなさい!
 結界を張り、『種』の存在を隠すのです!」

あちらこちらで巻き上がる大騒動。
これが牝と化した女どもの相手のためと知られたら、きっとオレの命はなかっただろう。
後にこの騒ぎを知ったオレは、身の危険を感じ、一連の騒ぎは将軍テスとの戦闘によるものということにして真実を隠蔽した。
そりゃそうだろう?
下手すりゃ愚者の迷宮の魔物が、皆殺しにされるかもしれなかったって聞いちゃったんだから!
何も知らない幸福なオレは、ただ欲望のためだけに魔力を放出し続けていた。

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