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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 177


「何、簡単なことさ。
 生命力が足りないのなら補えばいいのさ。
 要はこの人間を魔物に変えてしまえばいい」
「人間を・・・魔物に・・・?」

それは単純明快な理屈。しかしそれゆえにオレは混乱する。
確かに魔物の中にはバンパイアのように、人間を魔物に変える能力を持つ魔物が少数ながら存在する。
しかし毒ガスに侵された狭霧に、それが通用するものなのだろうか?
いや、それ以前に。なぜそこでオレにお鉢が回ってくる?
確かにオレの材料となった魔物にバンパイアがいても不思議じゃない。
だが暴走の原因となったあの薬を使えない以上、どうやって能力を短時間で覚醒させるつもりなのか?
考えれば考えるほどわからなくなる。
混乱のきわみにあるオレにサルスベリはニヤニヤ笑いながら、口を開いた。

「・・・こう見えても私は勤勉でな。
 いろいろなことを研究している。
 だが中には知識はあっても、その実用性を試せていないものが幾つかある。
 その1つが『房中術』というものだ」
「ボウチュウジュツ・・・?それを使えば狭霧は助かるのか?」
「うまく行けば、な。
 あいにくこの技術は男女がそろってはじめてできるものなので、本物かどうかはわからんのだよ」

よく言う・・・!
それしか方法がないとわかっていて、底意地の悪いことを言いやがって・・・!
オレは内心の怒りを押し殺しながら話を進める。

「具体的にどういう技術なんだ?」
「サキュバスと性交するのと逆の理屈だ。
 交尾の技術を使って自分の生命力を相手に送る。
 ただし今回は相手が毒に侵されているわけだからな。
 完全に治癒することはまず無理だろう」
「なっ・・・!?それじゃ意味が・・・!!」
「ない、と言われてもこれしか手段はない。
 別にこの1回で毒を無効化するほどの生命エネルギーを送り込んでもいいが、そんなことをすれば、その人間の身体なんぞひとたまりもない。
 魔物の生命力に耐え切れずに死んでしまうぞ?」

激高するオレに、サルスベリはひょいと軽く肩をすくめる。
・・・くそっ!わかっているとは言え、やっぱりコイツはムカつく!

「・・・わかった!やればいいんんだろ、やれば!」
「わかってくれてうれしいよ。
 それじゃ早速、房中術のやり方を教えよう・・・。
 と、いつもなら言いたいところだが、今回は教えるに当たって1つ条件がある」

はあ!?ここまでもったいぶらせておいてまだ何かあるのか!?
しかし仲間の命には代えられない。
人情をうまく利用したサルスベリの交渉術に、もはやオレは舌を巻くほかなかった。

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