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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 156


そこまで言って、オレはとんでもないことを口走ったのを理解した。
し、しまった!グロッキー状態のせいで、明らかに様子のおかしいコイツに情報を漏らしてしまった!
だ、大丈夫か?いきなりオレを敵と認識して襲ってくるなんてことないよな?
もしそうなったら罪悪感でやりきれなくなっちまうぞ?
動揺するオレをよそに、テスは納得がいった言わんばかりの様子でとてつもない事を口走った。

「そうか。マスターはマスターであると同時に私の兄でもあるのだな。
 うむ、納得がいった。道理で変なニオイがしたわけだ」
「そんなんで納得するなぁっ!?」

テスのあまりに強引な解釈に、オレは思わずツッコミを入れる。
大体何だ、変なニオイがするってのは?
さりげにちょっと傷ついたぞ!?
しかし当の本人は、自分の理論のおかしさに気づいていないらしい。
・・・アレか?機能中枢をいじったせいで記憶だけでなく頭の良さまで変わっちまったとか、そーゆーことか?

「何を怒鳴っている、兄マスター。
 変なことでも言ったか?」
「・・・変どころじゃねーよ。
 そもそも何だ、その『兄マスター』ってのは」
「あなたは私の兄で、マスターなのだろう?
 ならば敬意を払ってそう呼ぶのが当然ではないのか?」
「・・・っ!・・・っ、・・・」

オレはとっさに突っ込もうとして、何とかその思いを飲み込んだ。
・・・ダメだ。完全に頭がイカレちまってる。
もしここで余計なことを言おうものなら、きっと事態はさらにややこしいことになるだろう。
・・・きっと人1人の人生をいじくったバチが当たったんだな。
相手は人間じゃねーだろとか言うツッコミを入れる気さえ起きない。

「・・・どうした、兄マスター?
 さっきから百面相など始めおって。気でも触れたか?」
「・・・ッ!!誰のせいでこんな思いしてると・・・っ!?」

・・・いや、落ち着けオレ。そもそもの原因はオレにあるんだから!
しかしそんなオレの葛藤をよそに、テスの暴走はどんどん進む。

「・・・ふむ。呼び方が気に食わんのか?
 ここは定番の『お兄ちゃん』がしっくりくるか?」
「待て。それは一体どこの定番だ。
 せめてマスターと呼べ、マスターと」
「だがお兄ちゃんと私は兄弟なのだろう?
 ならばお兄ちゃんと呼ぶのが適切だろう」

・・・ダメだ。コイツの中ではすでにオレを『お兄ちゃん』と呼ぶことが決定している。
オレはこの後起こるであろう、地獄の全てを受け入れねばならないことを悟った。

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