淫魔界にようこそ 10
「り、リズ!いきなり何を言い出すの!?
とにかくこっちに来なさい!このことは先生方に報告させてもらいますからね!」
白那先生はそう言うと、ぎゃあぎゃあと文句を言うリズ先生を連れて校舎の中に入っていってしまった。
嵐のごとく現れ、立ち去っていった美人教師のタマゴ2人の前に、ボクたちはただ呆然とするしかなかった。
雄介たちから離れた白那は、人気のない校舎裏へリズを連れ込むと、いきなり彼女を突き飛ばした。
「いたっ・・・。もう、いきなり何するのよぉ〜!?」
「それはこちらのセリフよ!
いきなり初対面の相手にモーションをかけて!
変なイメージを持たれて、こっちまでひんしゅくを買ったらどうするつもりよ!」
怒り狂う白那をリズはものともせずにケラケラ笑う。
「大丈夫、大丈夫♪
ヤリたい盛りのあの年頃のコにはあれぐらい積極的にいかないとね〜♪」
「ふざけないで!あのコには私たちの世界の未来がかかっているのよ!?」
「あら?一番乗りで雄介クンに近づいた誰かさんには言われたくないなぁ〜?」
「ぐっ・・・」
その一言に、怒り心頭の白那の言葉が詰まる。
「んふふ〜♪このことを他の3人が知ったらどんな顔をするのかな〜?」
その頃―――
雄介は突然現れた二人の美女との出会いに戸惑いながらも教室にようやく辿りつき、そこで男子生徒たちの一斉の質問攻めを受けていた。
「秘森ぃぃぃ! お前、白那さんとリズさんとはどういった関係だぁぁぁぁっ!」
「ちょっ!」
生徒たちは全員血走った瞳で睨みつけてくる。同じ学年どころか上級生も入り混じっている光景に雄介の顔が青褪める。下手なことを言えばボコる。その狂気じみた視線が無言でそう脅していた。
「べ、別にどういった関係も何も今日初めて出会ったわけで・・・・」