淫魔界にようこそ 11
「嘘をつくなっ!初めて出会ってあんな羨ましい状況になるわけないだろ。テメーはエロゲーの主人公か!このショタキャラめ!」
「ひどッ!密かに気にしてたのに!」
貧弱貧弱ゥと言われても仕方ない細い身体に密かにコンプレクスを受けていたのに、そんなことを言われるなんて。
「それより秘森、いい加減にゲロっちまえよ。あの二人とはどういう関係だ」
一斉に近寄る生徒たちの背後でガララと音を立てて教室の扉が開く。どうせ担当の42歳、肥満体型、最近メタボリックが気になる男性教員、豚村邦治かと思って誰も視線を向けない。
「あのぉ〜、誰かこっち向いてくださいよぉ〜」
『!?』
男性教員、豚村邦治ではありえない、間延びした女性の声に、秘森雄介を含めた男子生徒が一斉に声の発生源に視線を向けた。
「ひゃうっ!?な・・・何なんですかぁ〜!?
そんな怖い目でこっち見ないでくださ〜いっ!?」
男子生徒の視線の先。そこには教壇の向こう側でぶるぶる震える子供がいた。
・・・訂正。よく見れば子供ではない。
確かに背が低くて○学生と見まごうほどの童顔だが、胸には大人でもめったにお目にかかれないほどの巨大な乳房がぶら下がっていた。
この時間に教壇に立っているということは、おそらく彼女は教師。
「・・・・・・・・・・・・」
「あ、あううっ・・・。お願いですからそんな怖い顔でみないでください〜・・・!」
小動物のように震える見たこともない教師に、生徒一同はどう対応すべきかわからない。
そんなとき、天より救いの手が差し伸べられた。
ガラッ、
「・・・ん?みんなどうしたんだ?石のように固まって?」
遅まきながら担任の豚村邦治が教室にやってきたのだ。
「ふえ〜ん!豚村せんせえ〜っ!!」
「うおっ!?リザリア先生っ!?一体どうなされたんですか!?」
(あの人も新しく来た先生のうちの1人・・・?
・・・ていうか、成人してたんだ・・・?)
担任豚村に泣きながら抱きつく小さい教師を見ながら、クラスの生徒たちはそんなことを考えていた。