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淫魔界にようこそ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔界にようこそ 48

どっちにしても殺されるなら、せめてヒトに近いほうとHして殺されたい。
雄介の頭の中で、それでも逃げろという思いが浮き上がる。
しかし気絶する前に見たあのぶよぶよぐちゃぐちゃの不気味生物たちがこの布1枚隔てた向こうにいると思うと、ここにいたほうがまだいいような気もしてくる。
2つの思いに板ばさみになっていると。
ふとテントの入り口の布が持ち上がる。

「ひッ・・・!?」

あの化け物たちが我慢できずにやってきたのか?
そう思って雄介は思わず後ずさる。
そしてテントの布を持ち上げてやってきたのは・・・。

「・・・ただいま」
「すまない。遅くなった」
「あっ?大ネエ、小ネエっ、お帰り〜♪」

姿のなかった淫獣人の2人であった。
確か彼女らは大ネエ、小ネエと呼ばれていたはずだ。
雄介はあの化け物でないことにホッとしていると、その様子と仲間の姿に何事か感づいた大ネエが眉をひそめた。

「・・・テト。おまえ、変なこと言って彼を手篭めにしようとしていたな?」
「え、えへへ〜。ご、ごめん大ネエ。我慢できなくってつい、さ〜」

反省のかけらも見られない様子で謝罪する淫獣人テト。
そんな彼女に対し、返ってきたのは小ネエによるほっぺた引き伸ばしの刑であった。

「ひ、ひだひっ!?ひいへえ、はじひはいっへ!?
 (訳:い、痛いッ!?小ネエ、マジ痛いって!?)」
「・・・ダメ。許さない。・・・おしおき」
「ひぐっ!?ひぐふぐはぐがっ!?」

テトのほっぺたをつまみ、もちのようにタテタテ、ヨコヨコと縦横無尽にこね回す小ネエ。
大ネエも同じ気持ちらしく、止める素振りすら見せずに雄介の元にやってきた。
そして雄介の前で片ヒザをつくと、申し訳なさそうに謝罪した。

「我が愚妹が大変な失礼をした。淫獣人族の族長として深くお詫びする、異界の方よ。
 このたびの乱暴な招待と合わせ、重ねて謝罪する」

族長を名乗る大ネエの紳士的な態度に、雄介の緊張が若干解れる。
そして彼女なら話がわかるんじゃないかと考え、思い切って話をしてみることにする。

「な、何なんですか、あなたたちは?
 先生たちに変なところに連れてこられたと思ったら、今度は怪物を引き連れたあなたたちにさらわれて・・・。
 ぼくに一体何をさせたいんですか!?」

その言葉に大ネエがピクリと反応する。
いや彼女だけではない。テントの中にいた淫獣人全てが反応していた。
その様子に、雄介は何かまずいことでも言ってしまったのかと恐怖と動揺に駆られてしまう。
わずかな静寂。その沈黙を破ったのは自称族長の大ネエであった。

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