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淫魔界にようこそ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔界にようこそ 45

それどころかホラー映画さながらの光景に雄介のパニックはどんどん大きくなるばかりだ。
雄介を黙らせようにも、淫獣たちがそんなスキすら作らせない。
レイナと白那の心の中で急速に広がる動揺と焦り。
それは決定的なスキを生む結果となった。

「スキ、ありッ!!」
「ッ!?しまっ・・・!!」

前後左右から襲い来る淫獣に気をとられていた2人は、上から落ちてきた淫獣人に出し抜かれ、まんまと雄介を奪われる。
死角からとは言え、かなりの高さから落ちてきた淫獣人は音もなく地面に着地。
してやったりとした表情で、白那とレイナに不敵な笑みを見せてやる。
一方の雄介は想像を超えた事態の連続に、キャパシティを超えたらしくぐったりと気絶してしまっていた。

「旦那様ッ!?おのれ、淫獣人め・・・!」
「よせッ、白那!雄介に当たるッ!」

白那は怒りのままに攻撃しようとするが、レイナの一言で何とか踏みとどまる。

「そうだ。私の腕の中にこの男がいる限り、おまえたちには何もできない。
 そして次の一手で私たちの勝利が決まる」

ピイイィィ〜〜〜ッ!!

淫獣人の口笛が高らかに鳴り響いた。
その合図で淫獣達が一斉に二人へと襲いかかる、かと構えた二人の前で逆に淫獣は下がっていく。

「なんのつもり?」
「答えるわけないじゃん。馬鹿じゃないの?」

白那の質問を鼻で笑う少女との直線状に邪魔するものはいなくなった。レイナと白那の視線が交錯する。セオリー通りにレイナが距離を縮め、雄介を奪還、その間の援護を白那がする。二人の手足に力が込められた、その瞬間、森を切り裂いて巨大な獣が現れた。

「な!?」
「遅いよ、大ネエ」

「すまない。連れて来るのに少々手間取った」

巨大な獣の肩に立つのは3人のまとめ役『大ネエ』。
先ほどから姿が見えないと思ったら、コイツを連れて来ていたらしい。
そして。雄介を捕獲した淫獣人のそばに、一陣の疾風が舞い降りる。
それは長い銀色の体毛で覆われた、狼のような4つ足歩行型の獣だ。

「・・・待たせた」
「いやいや、いいタイミングだったよ、小ネエ」

獣の背中には相変わらず表情の読めない淫獣人の姿が。
どうやら『大ネエ』の獣が足止め用、『小ネエ』の獣が逃走用らしい。
「ではせいぜいこのコと楽しんでいくがいい。
 タイラント、久しぶりの獲物だ。たっぷりとなぶってやれ」

『大ネエ』はそれだけ言うと、タイラントと呼ばれた巨大淫獣から飛び降りる。
するとタイラントは主の命令に従い、獲物――白那とレイナを襲うべく動き始めた。
しかし大事な雄介が奪われた2人には、そんなことなど知ったことではない。
捕えられた雄介を取り返すべく、白那が冷気で作った手裏剣を投げ、レイナがそれに合わせて淫獣人に襲いかかる!

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