PiPi's World 投稿小説

淫魔界にようこそ
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 42
 44
の最後へ

淫魔界にようこそ 44


淫獣人が口笛を鳴らした瞬間、森の雰囲気が一変した。
そこかしこから大小さまざまな淫獣たちが顔を出し、レイナたちに襲いかかる。
だが2人は微塵の動揺も見せず、レイナは槍を、白那は冷気を武器に淫獣たちをなぎ払った。
雄介を巡る淫魔と淫獣人との争奪戦が今、幕を開けた。

「ん・・・・・っ・・・・・・」

瞼と手足が重い。まるで部活で思いっきり頑張った次の日みたいな疲労感が包み込んでいる。
あれ? なんでだろ。部活はしてないはずだけどな。
雄介はまどろみから目を醒まし、瞼を開ける。

目の前に化物がいた。

「ひっ!?」

ウネウネと蚯蚓や蛇のように長い胴体をくねらせて暴れる化物達。見てるだけで嫌悪感が走り、鳥肌が立つ。しかも、その視線は全て俺に向けられていた。

ぞわっと後ろに下がろうとした雄介へと森の片隅から縄が放たれ、それをレイナの槍が切り払う。縄だと認識していたのは淫獣の触手らしく切断された場所から蒼い血を零し暴れながら、また森の中に消えた。
そして淫獣の蒼い血液が雄介の顔に降りかかった。

「どわああぁッ!?」

その瞬間、衝撃的過ぎる光景にフリーズしていた雄介の思考が再起動する。
しかしそこに理性はない。
突然の異常すぎる光景に、雄介はパニックを起こして大暴れする。

「こ、こらっ!?私の上で暴れるんじゃないッ!?」

これに驚いたのが雄介を背負っているレイナだ。
ただでさえ雄介を背負いながら戦わねばならないハンデを背負っているというのに、大暴れされたのだからたまらない。
レイナはいったん雄介を押さえることに意識を注がねばならなかった。
そのスキを淫獣率いる淫獣人が見逃すはずがなかった。

ピイィィ・・・ッ!!

淫獣人の口笛に反応して、淫獣たちが一斉にレイナに襲いかかる。
白那と戦っていた連中も用はなくなったばかりに向かっていく。

「れ、レイナッ!?」
「くッ・・・おおぉぉッ!?」
「わ、わ、わわぁッ!?」

レイナは暴れる雄介を押さえながら必死に迎撃し、白那は淫獣を白い破片に変えつつ2人の救出に向かう。
だが多勢に無勢で、なかなか2人の思い通りに好転しない。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す