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淫魔界にようこそ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔界にようこそ 42

大ネエと呼ばれた獣娘は、口に折り曲げた人差し指を当て、しばし物思いにふける。

「・・・確かこの辺に淫魔たちの集落があったな。
 そこに逃げ込む気だな」
「げ。それってマズくない?集落に入られたら手の打ちようがないよ!?」
「だからこちらも森から出る前に奴らを押さえる。
 全勢力を使ってでも、な」
「え?で、でもそんなことしたら・・・!?」
「かまわん。どの道、このままでは我が一族は終わりだ。
 それとも奴らが怖いか?」
「・・・ジョーダンっ!!誇り高き淫獣人が淫魔なんか恐れるもんか!」
「当然」

今まで黙っていた獣娘も力強くうなずく。
その様子に、指揮官らしき獣娘も大きくうなずく。

「決まりだな。ではこれから楽しい狩りの時間だ。
 間違ってもニンゲンに傷はつけるなよ?」
「まかせて!」
「・・・!」

頼もしい言葉とともに淫獣人の3人は指を口に含むと大きく口笛を吹いた。
『ピイーッ!』と3つの甲高い音が森中に響き渡る。
そして口笛が鳴り止む頃。
そこには誰の姿もいなかった。
3人の獣娘も異形の淫獣たちも誰もいない。
それは雄介をエサとした狩りの時間の幕開けであった。

≪淫獣人との邂逅≫

レイナと雄介の性交があった十五分後。
雄介を背負って歩いていたレイナは森の違和感を感じ取っていた。
元より戦士としての技能は高く、精を浴びたばかりで生気も満ちている。その戦士の感覚が森の異変と、何かが迫ってくるのを感じ取った。

「・・・・・・・白那。何者かが追ってきてる」
「どうせ淫獣達でしょ。目の前であんなの見せられたから」
「それならいいが、どうも一匹や二匹ではないらしい」

レイナが影に潜めていた槍を取り出すのを見て、白那の真剣度も増す。
それでも二人は立ち止まる愚考はせず、歩き続ける。
敵の狙いは間違いなく雄介。この世界は餓えているのだ。言い方を言い帰れば全部が敵だとも言える。この場で立ち止まっていれば敵を増やすだけ。
例え、相手が雑魚だとしても雑魚が集まれた強敵と成る。

「ここから一番近い集落はなんだ?」
「南の淫魔の村ね。リズがいないのが少し厄介だけど」
「このまま森で何万匹とも言われる淫獣達を相手にするよりは分がある」

その時、二人の死角外。大樹の枝から一匹の淫獣が飛びかかる。普通サイズのワームが雄介の首に絡む寸前、鍛え抜かれたレイナの反射神経が反応した。

「疾っ!」

斬撃がワームの胴体を両断する。飛び散る鮮血と肉片。そして断末魔。

「ギイィイイオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
「しまったっ!」

すぐさま白那の冷気が凍砕するが一度響き割った断末魔が消えてなくなるわけがない。二人は顔を見合わせると、歩く速度を上げた。背後から迫る気配が速度を増す。

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