淫魔界にようこそ 33
「それにしても見た所、貴方達は妖精と淫神族の中でも、かなりの力を持っているよう・・・・その二人が一体いかなる理由でこの村に間違って入るようなことになったのか。教えてくれませんか?」
「・・・・・うっ」
ノルティカとリザリアは困り果て再び顔を向かい合わす。
(どうするぅ…)
(どうするって言っても…)
(本当の事を言うぅ?)
(仕方ないのかなぁ…)
二人がヒソヒソ話をしていると
「いい加減に迷い込んだ理由を話して貰わないか?」
女族長が痺れを切らしたか二人に詰め寄る。
「ハァ…しゃあない…」
ノルティカは意を決して女族長に答え始めた。
「私達は女王様からある特命の帰りにちょっとしたトラブルにより此処へ迷い込んだ…これで良いか?」
「で…」
「“で…”ってどう言う事ですか?」
「勿論、その特命と言うのを聞かねば話にならない」
「やっぱり…分かりました、では単刀直入に言えば人間界から一人の男と言うより少年をこの淫魔界に連れて来る事であります」
「何だと!!」
ノルティカの言葉に女族長は驚きを隠せない。
更に周りのアマゾネス達も
『ざわ…ざわ…』
と、ざわめきだす。
まぁ当たり前であろう。
アマゾネス達とてこの淫魔界の住人である。
他の種族と同様…いや寧ろ他の種族と一線を画していたからこそ他より先に男が絶え、他より男に飢えていて欲していた。
そして女族長が長い沈黙ののち考えた挙げ句…
「分かった、ならお前達をこの村から抜けさせてやろう」
「やったぁ!!」
「ふぅ…何とかなった…」
女族長の言葉に歓ぶリザリアと溜め息をつくノルティカ。
しかし…
「ただし一つだけ条件がある」
「えぇぇえ!!」
「で、その条件とは?」
「何、他愛ない事だ…シーア、ティア」
女族長は条件を言う前にアマゾネスの中から二人の少女が現れた。
シーアとティアって呼ばれた少女は二人共見た目は人間だと女子高生ぐらいだが双子なのであろうか、まさに瓜二つと言う位そっくりである。
小麦色に日焼けした肌と栗色の短い髪は如何にも活動的。
だが蒼眼と整った顔立ちは二人を気品高く見せる。
胸こそこの世界では珍しく貧乳だが括れた腰と丸く整った尻は十分な色気を漂わせていた。
「で、この二人は?」
ノルティカは当然女族長に質問する。