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淫魔界にようこそ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔界にようこそ 32

「・・・・・・・どうしようか?」
ノルティカは薄翠の髪を指でなぞりながら辺りを見回す。
周りには無数の槍や剣を構えた褐色の女戦士達が武器を持って囲んでいた。
アマゾネスの隠れ里。元より淫魔の中でも戦闘民族と名を馳せるアマゾネスの隠れ里にまさか転移してしまったのは不幸だった。
アマゾネスは基本的に自分の民族だけで生活する為、他の者に対して敵対している。例え、彼女達が淫魔女王達の命で動いていたとしても無断で村の中に侵入した二人を見逃すつもりは無い。
「ハァ、めんどうだな〜」
「うぇえええん、やばいです。絶対、私たちを見逃すつもりないでしょぉ」
ノルティカはため息をつき、リザリアの叫ぶ。
アマゾネスを含めて間違いなく、この中で一番力を持っているのは淫神族の眷属である彼女なのだが、リザリアは怯えて力を使おうとしない。
「しょうがないね」
ノルティカは指先に緑色の炎を宿して周りを囲むアマゾネス達を睨みつける。
「先に言っとくけど消し飛びたくなかったら退いたほうが良いと思うよ」
警告の言葉にアマゾネス達は引く所か、更に刃を構え直す。警告は諦めて強力な召喚獣を呼び出そうとする寸前、アマゾネスの人垣が割れた。
「妖精、どういうつもりかしら? 貴方達とは相互不可侵を約束していた筈でしょう。それにその少女は淫神族ですね」
「めずらしい。長が出てきたよ」
ノルティカの驚きの声と共に人垣から現れたのは黄金の装飾を施された鎧を纏った豪華絢爛な美女だった。紫色の長い髪を後ろで束ね、同じ色の瞳でノルティカとリザリアを見る。
「ふむ。見たところ武装はしてないようですが、まぁ、妖精の貧弱な腕力と淫神族の力では武器はむしろ邪魔でしょう」
「カチーンと来る台詞だね」
あまりにも率直な言葉に、ノルティカのコメカミに青筋が立つが、なんとか堪える。
相手はアマゾネス達の長。
その実力は、この周りを囲むアマゾネス達の中でも群を抜いている。
アマゾネス達がもっと協調性があったら防人の一人になっていたかもしれない程。
「ボク達は間違ってあんた達の村に入ってしまったんだ。だから、そのまま外に出してくれると助かるんだけど・・・・・・無理かな?」
「無理ですね」
紫髪の女族長は断言し、口元に微笑を浮かべる。

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