淫魔界にようこそ 18
”だって貴方達が何の枷もなく人間界に送り込んだらら、そのまま移住しちゃうでしょ。目的は淫魔界が永劫に続くことなの。だ・か・ら、貴方達が秘森雄介を捕まえて淫魔界に連れてくるまで秘森雄介は勿論、他の人間とも性交を禁じます”
もはや我慢できないぐらいに衝動は沸きあがっているのだが人間界に来る時に付けられた『封印』のせいで、それも出来ない。
それだけにキスとはいえ雄介から直接精気を取り入れられたのはノルティカにはありがたかった。
「あの…有名人って何の事でしょうか?」
「えっ…あははは…ほら今日一緒に入った教習生との話題になってね…」
「そう…ですか…」
ノルティカの“有名人”に引っ掛かり質問した雄介。
でもノルティカの言葉からは詳しい事は分からずじまいであった。
「あっ、じゃボクはそれで」
「あの…先生は…」
「ボクはノルティカ…ノルティカ・クロノフ!貴方のクラスの理科担当だからよろしくね♪」
とノルティカは何故か来た方向へと去って行った。
「一体何だったんだろう…」
まさに嵐のように現れて嵐のように去って行ったノルティカに戸惑う雄介。
しかし
「でも…あのキスの感覚はあの時と…同じだ」
そう思いを抱いていた。
実は雄介のファーストキスはこれが初めてではない。
もっともその事自体はアクシデントみたいなものであったが…
それは約二週間前まで遡る。
・・・・・・・・・
雄介は学校を終えて下校中…
タッタッタッタッ…
ドスン!
「きゃぁ!…」
「うわぁぁぁ!!…うっ…」
ちょうど空きビルの前で雄介は前から走って来てた女性にぶつかってしまい気絶してしまった。
そして気絶してから数十分後…
「うっ…うぅぅん…うん!?」
「うん…うぐっ…うぐぅ…」
雄介が気絶から覚めると空きビルの中にいて、なんと女性とキスをしていたのだ。
「うっ、うぅぅん!!…はぁ、はぁ…」
「あっ…ごめんなさい…」
女性は雄介が気付くと慌てて雄介から離れた。
そして…
「貴方が倒れて気絶しちゃったから…で中々目が覚めないからビルに入って…まだ覚めないから人工呼吸もして…」
女性は尚も慌てながらも雄介に言っていた。
でも雄介の方もカァ〜っと顔を真っ赤にして照れていた。
何せ雄介のファーストキスだったからだ。
そして雄介も慌ててしまいからだを上げると
「ありがとうございます…もう大丈夫ですから、これで失礼します…」
と言っては、まるで逃げるかのようにビルから出て行ったのだ。
後ろで女性が妖艶な笑みを浮かべてるとも知らずに…