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螺旋のコロシアム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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螺旋のコロシアム 7

レナーテが話しかけてくる。
「ああ、まあびっくりしたけどね。あんな風に応援してくれるのはありがたいことだし、良い人達だっだよ」
話題が自然とゲルト達の事になっていく。自分がインキュバスの力に覚醒する前の試合を見てファンになったというのは純粋に実力を評価されての事なので誇らしい気分になる。
彼等は今頃、街外れの宿舎に戻って一心不乱に自慰でもしているんだろうか。
そんな事を考えながら歩いていくと、やがて丘の上に出た。
周囲に人気はなく、静かで心地よい風が吹いている。
眼下に、街の景色が広がっていた。
円形の城壁に囲まれ、その内側には整然と区画された町並みが広がっている。
美しい眺めだった。俺達はしばらく、その光景に見入っていた。
「いいところだな。ここは」
「静かだし、落ち着くな…」
「気持ちいいですねー」
「うん…ずっとここにいたいなぁ」
それぞれに感想を漏らしながら、暫く風景を楽しむ。
ふと横を見ると、レナーテがこちらをじっと見つめている。
「どうかした?」
「いえ、ただ、なんだかこう、幸せだなって思ってぇ」
そう言って微笑む彼女の笑顔は本当に美しく、可憐だった。
「…俺も、同じことを思っていたよ」
「うふっ、一緒ですね」
レナーテが寄り添ってくる。柔らかい胸の感触が伝わってきて、俺はどきりとした。
その時だった。突如、遠くに見えていたコロシアムが光り、怪音と共に強い光を放った。
「な、なんだ!」
レナーテとエミリーも驚いている。しかし俺とイラルは反射的に彼女達を庇うように前に出ていた。
何が起こったのかと思っていると、その光は次第に螺旋状になっていく。
ギュルルル!と音をたてながらその光は、激しく回転し始めた。何かが渦巻いて放出されているかのような動きだ。

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