螺旋のコロシアム 10
「くそ!数が多くて見つからない!」
悪態をついても仕方ない。今はイラルを探すことが先決だ。
だが、イラルを見つけたとしても、どうすればこの状況を解決できるのか?そもそもここから出られるのか?疑問が次々と湧いてくる。
何も出来ないまま、事態はどんどん進行していく。
俺達を閉じ込めた巨大精子の群れは、どんどん上昇していき…ついには雲の高さまで到達した。渦の発生元であるコロシアムはもはや確認することすら出来ない。
吸い上げられている、そうとしか表現できないほど巨大精子の群れの高度は上昇していく。