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螺旋のコロシアム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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螺旋のコロシアム 1

コロシアムの中央で、闘技会の優勝者となった剣闘士の青年が高らかに手を挙げ、観衆の声援に応えていた。
その青年剣闘士の名は、イラル・スティロアというらしい。
俺と同じ黒髪黒目だが、顔つきは精強な狼を思わせるワイルド系イケメンだ。
ちなみに俺は…まあ、普通だと思う。
「さて、それではこれより表彰式に移ります!では、準優勝者のリート殿!」
「はい」
名前を呼ばれたので、俺は表彰台へと向かう。
そして優勝者であるイラルと握手を交わし、健闘を称えあった。
「素晴らしい戦いぶりだったぜ、リート。正直、負けるかと思ったぞ…」
憧れていた剣闘士にそう言われ、少し照れくさい気持ちになる。
「いえ、そんな…。こちらこそ勉強になりました」
そう言って笑いかけると、彼は一瞬目を丸くしてから破顔した。
「ははっ!いい奴だなお前は。気に入ったよ。この後時間があるなら、飯でも食いながら話を聞かせてくれないか?」
「えぇ、喜んで」

表彰式の後、俺とイラルは近くの酒場に来ていた。
そこで、互いの健闘をたたえ合う乾杯をする。
「お前の戦い方は独特だったな。あれは何なんだ?初めて見る動きだったが」
イラルが尋ねてきた。
「あれは俺の国に伝わる武術です、あまり有名ではありませんが…。それを自己流でアレンジして使っています」
「ほう、面白いな。今度詳しく教えてくれよ」
「いいですよ」
その後、俺たちは互いに戦った時の感想や反省点などを話し合い、大いに盛り上がった。
そして一通り話が終わったところで、話題は自然とこれからの事へと移る。
「それで、これからどうするんだ?」
「とりあえず、まずは冒険者ギルドに登録しようと思っています。その後は……まだ決めていませんね」
「ふむ、じゃあうちに来るか?」
「え!?」
思いも寄らぬ提案をされ、驚く。
しかし同時に、それは願ってもない事だと気付いた。
イラルと一緒に行動すれば、色々と学ぶ事が出来るだろうし、何より彼のファンなのだから。
断る理由などない。むしろ大歓迎だ。
「はい!是非お願いします!」
俺が返事すると、イラルは嬉しそうな顔をして言った。
「おう!こっちこそよろしく頼むぜ、相棒!」
…ん?相棒?

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