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螺旋のコロシアム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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螺旋のコロシアム 5

食事を続けていると、俺達の座ったテーブルの周りに何人かの男が集まってきた。
全員屈強そうな男で、中には冒険者風の者もいる。恐らくはここに来た時に感じた視線の主だろう。
その中の一人が進み出る。
かなり大柄で髭面の厳つい顔つきだ。
他の奴らも同じような雰囲気だが、こいつだけ別格だ。おそらくリーダー格なんだろう。
リーダーと思しき男は、緊張感を漲らせて近づいてくる。
おもむろに、ゆっくりと。
場が静寂に陥った。まさかこいつら、俺達か、それとも彼女達に何か害意があるのか?
エミリーとレナーテは、怖くなってきょろきょろしだした。
イラルはエミリーを、俺はレナーテをかばうように少し前に出た。
するとようやく、男は話し出した。

「イ、イラルさんと、リートさんですね!俺達、あ、あの試合を見て、感動しました!ファンになりました!握手してください!俺はゲルトと言います!」
髭面の男はさっきまでの雰囲気はどこへやら、どこかおどおどしつつも、喜びに笑み崩れてとても友好的な声で言ったもんだから、俺も驚いた。
すると、他の連中も口々に言う。
「俺もっす!握手してください!」
「あの技前には感激しました!サインしてくだせえ!!」
まるで敵がいきなり仲間に変わったような、豹変の如き有様に、女の子たちも理解が追いつかないって顔で、でもどこかほっとした顔で、この状況を見ていた。
どうやら、さっきまでの彼らの雰囲気は、俺達に近づこうとして緊張していたためだったようだ。
すると、イラルが大笑いしだした。
「ハッハッハ……そういうことか!」
イラルは喜んでゲルトの握手に応じ、他の連中も手を差し出してきた。
握手攻めにあいながら、イラルは気前よくサインにも応じている。
俺に握手を求めてくる者もいて、俺も嬉しかった。何人かと握手して、持ち物にサインしてあげたりした。
エミリーもレナーテも、安心したような、それでいてどこか優し気な目で俺達を見ていた。
握手やサインが一巡りしたところで、イラルが言った。
「脅かすなよ。俺らはともかく、この娘達もいるんだぜ?」
「すいやせん。こんな可愛い娘とデートしてるのに、無粋でした」
「俺もっす。すみませんでした!」

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