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螺旋のコロシアム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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螺旋のコロシアム 4

俺はイラルに聞いてみた。
「ひょっとして…共感か?」
「そんな感じだな。同じ力を持つ者同士、感じ取れるんだ。インキュバス達はこれで縄張り争いを防いでるそうだ。
リート、勃起したままでは人の眼が気になるだろうが、この力があれば服さえ着てれば、勃起したままでも大丈夫さ。他の男を威圧し、女には雌の部分を刺激する効果がある。さあ、いこうぜ」

結局、俺達は着替えて街に出ることにした。
あまりファッションの事は分からないので、街の若い男が着るような普段着だ。
歩いてると俺とイラルに視線が集まってくる。
男からは一目置くような、女からは憧れや、人によっては恋慕めいた視線が来て、何だか心地よい。
「おっ、あの娘達なんかどうだ?」
イラルがちらっと視線を向けた方に、俺と同じくらいの歳と思える可愛い娘が二人いる。胸もでかい。
ちょっと背の高くて大人しそうな娘はイラルに、その横の小柄でポニーテールの娘は俺に、それぞれ恋慕めいた視線を向けてくれていた。
俺達が近づくと、小柄な娘の方から話しかけてきた。
「あのぉ〜、私達に何か用ですかぁ?」
「ああ、君達の事を気に入ったんだ。良かったらこれから一緒に食事でもどうかと思ってね」
イラルがそう言うと、長身の女の方が口を挟んできた。
ちょっとおどおどした様子だ。
「嬉しいです。でも、私達なんかで、いいんですか?」
「二人ともとっても素敵だよ。俺はイラル。こいつはリート。君達の名前を教えてくれるかな?」
「私、エミリーと言います」
「私〜、レナーテですぅ」
大人しそうな長身の娘がエミリー、小柄でポニーテールの娘がレナーテと名乗った。
エミリーは主にイラルを、レナーテは俺を気にしているようだ。

「じゃあ行こうか」
「はいぃ!」
「うん…」
こうして俺達は二人の美少女を連れて酒場に向かった。
酒場に入ると、店内にいた客の男共の注目が集まる。
店の主人らしき中年の男性が出てきた。
「これはまた美しい女性をお連れですね。ささっこちらのお席にどうぞ」
店主が案内してくれたテーブルに着くと、どういうわけかすぐに酒が運ばれてきた。頼んですらいないのに。
そして料理が次々と並べられていく。
「あの、俺達まだ注文してないんだけど?」
俺がそういうと、店の主人が答える。
「ご心配なく。貴方様方は当店の特別なお得意様なのですから、全て無料です」
イラルの方を見ると、苦笑いしていた。
「まあいいか、好意だし貰っておこうか」
「そーですよねぇ!こんな美味しいもの食べ放題なんてぇ、太っちゃいますよぉ!」
レナーテは遠慮なしにバクバク食っている。
俺も頂く事にする。確かに旨いな。
イラルも満足げだ。
「見たか、あの店主の喜びよう。インキュバスの能力は凄まじいものだろ?」
「ああ、そうだな…。完全に勃起してたな、男にも効果があるのか?」
「無いんだがな。あまりにも力が強すぎて、男でも俺達の雄々しさに惹き付けられてしまうらしい」
雄として畏敬されるなら悪い気はしないが、面倒に巻き込まれないよう注意しないとな。あまりに目立ちすぎるのは居心地が悪い、以前のような平凡な人生が一番合ってる気がしてきた。

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