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井戸の怪異
官能リレー小説 - ファンタジー系

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井戸の怪異 21

惚れた男に辛いことがあったのを癒してあげることができ、結ばれたルーチェは、本当に幸せそうで、思わずデビーは彼女を抱きしめた。
お互いに裸のまま、温めあうように抱き合う。
「ルーチェ、好きだ。こんな俺でいいならこれからもついてきてくれ」
「それこそが、あたしの夢だったんだから。あたしのデビーさん」
「ありがとうな」
そのあとしばらくお互いの存在を感じあうように、何も言わず二人は抱き合っていた。

「さて、朝飯作るから、お前は少し休んでてくれ。かなり疲れただろ」
「いや、あたしが作るっスよ。看板娘は伊達じゃないんだから」
「あれだけヤった後なんだから、ゆっくり休んでてくれていいんだぞ」
「でも彼女たるあたしとしては、やっぱり彼氏に作って…あれ?」
抱き合うのをやめた二人は、どっちが朝飯を作るかという話になってしまう。
だが、立ち上がろうとしたルーチェがふらつき、デビーが抱きとめる。
デビーは自分でも驚くほど絶倫になっていた。夕べはルーチェを啼かせまくってしまうほど何度も抱いたのだ。
「俺のせいでこうなっちまったんだ。お詫びだと思ってくれ」
「へへ…お言葉に甘えるっス」

あの井戸の水に触れてから体質が変わったようだ。
とりあえずは大根を切ってみたが、面白いほどに綺麗に切れた。ちゃんとした料理などやったこともないのに。
刃物を使う技術力も向上しているらしかった。ということはペトルもそうなっているのかもしれない。
独り身だったので、多少の料理の心得はある。
デビーは鍋に水を張って炊き、手早く野菜を切り、スープを作っていく。
手慣れた様子で料理する彼を、ルーチェは横になったまま眺めていた。
「へへ、新婚みたい」
「ん?どうした?」
「なんでもないっす」
ルーチェが小声だったのでデビーは聞き逃したが、幸せそうな様子だったので深入りしなかった。
紆余曲折あったがとにかくデビーは幸せを掴んだ。
しかし、未だに行方不明扱いとなっているペトルの方はどうだろう。
同じ井戸の怪異に遭遇し、同じように井戸水の中で激しく屹立させた。彼はまたデビーと再会することはあるのだろうか?

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