PiPi's World 投稿小説

井戸の怪異
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 13
 15
の最後へ

井戸の怪異 15

それにより彼等は新たに出現したクイツボに反応するのが遅れた。
グチョッ!
卑猥な音を立てて、山賊の男が花弁に包まれた。中で分泌された液体が花弁を透き通らせて中の者を見せつけるようにした。
もがいている山賊の男の着衣が消失していく。
彼の仲間も次々にそれに続くこととなった。人数分のクイツボの壷状器官が並び、しっかりと密閉された。
閉じたクイツボは彼等を中に入れたままシュルシュルと茎を短くしていく。
さすがにその頃になるとデビーも彼等の存在に気づいた。
基部へと引き戻されていく壷を追い、駆け出した。
しかし遅い。
クイツボの速さは圧倒的だった。
全ての山賊の入った壺が、みるみる小さくなる。
消化し尽くされたのだ。
「ああー」
元に戻ったクイツボの前で、デビーは呻くことしか出来なかった。
あまりにも酷いさまを見て、彼は激昂して、襲いかかる。
元に戻った壷がヒクヒクと脈打ちながら形を変えていく。
見たことのない変化だった。
中に溜まる、山賊を消化した液は白く濁り生臭い匂いを放っていた。
デビーはまずはその奇妙な変化を後回しにし、巨大な本体へと急迫する。
怒り任せに茎に斬りつけ、蔓を薙ぎ、痛めつけていく。
だが、本体部分は斬りつけても回復し始める。
消化された、山賊だった白濁をその材料にして。
「畜生…手間ばかり取らせやがって」
蔓が襲ってくるやら、壺も一つでてきてデビーを飲み込もうとさえした。
それでもぶった切っているうちに、回復材料として白濁を使い果たしたクイツボは弱り、へたり込む。
冷気が充満し、ところどころ凍ったクイツボは、デビーに滅多打ちにされて崩滅した。
山賊どもの命とともに。


「うー、りんご酒だ!」
「どうしたんスかデビーさん、暗い顔して」
デビーは街に戻ると、いつもの酒場に来て手近な席に座る。
「ルーチェか。ったく、クイツボ退治したんだが、気持ちの悪い結末だったんだよ」
「そうだったんスねぇ…」
彼の顔色の悪さに、ただならぬ事だと思ったのか、ルーチェは彼を抱きしめる。
デビーが座っていたから、丁度ルーチェの豊かな胸がデビーの顔を包み込む形になった。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す