PiPi's World 投稿小説

井戸の怪異
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 12
 14
の最後へ

井戸の怪異 14

戦果はそれなりに良く、しばらく遊んで暮らせるほどの金が転がり込んできた。
「こんなに貰えるなんて…」
「クイツボを複数狩ったからだろうな」
クラークの言う通りクイツボにかけられた賞金はかなりのものだった。
他のモンスターとは比べ物にならない賞金なのは、狂暴さだけでなく性質の悪質さによるものもあるのだろう。
「この冷気の剣なら、クイツボを倒しやすくなるな」
デビーは自分から積極的にクイツボを狙ってみようと思った。殆ど動かないモンスターを一方的に狩ってこれだけの金が手に入るのなら狙わない理由がない。
しかも、クイツボは狂暴でえげつないので誰も狩りたがらない。なので依頼を独占しても誰も文句を言わない。
デビーはすぐにクイツボやスイツボに関係した依頼を片っ端から引き受けた。
確かに文句は出なかった、だが不振がられた。当然である。

デビーの行動の秘密を探るために山賊の男達が尾行を開始した。デビーはそれに気づくことなく、巨大なクイツボの花と戦闘状態に移行する。
「クイツボを自分から狩ろうとするなんてよっぽどの凄腕か新しい対処法を考えたか…」
山賊のリーダーの男が言う。
彼は昔ペトルを山賊団にスカウトしようとして失敗していた。ペトルもそこまでは落ちぶれていなかったのだ。
「とにかく奴から目を離すな、あのペトルの仲間なら腕はそれなりにあるはずだ」
デビーが剣を振るうとクイツボが次々に動きを止めた。それを片っ端から斬っていく…。
クイツボが不自然に動きを止めたのは山賊の男達にもわかった。
「どういう仕組みだ?」
「ありゃあ何かしこまれてるな」
クイツボを止めているのが剣から出る冷気だと知らない山賊達は酷く的はずれな推理を始めた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す