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謎の岩
官能リレー小説 - ファンタジー系

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謎の岩 7

そしてついに目の前まで来た時、彼は口を開いた。
「お前、俺ノモノニナレ」
「断る!」
間髪入れずに答えた。
すると彼はいきなりハンマーを振り下ろしてきた。咄嵯に横に飛んで回避する。
地面を見るとハンマーの先端部分が深くめり込んでいた。
呆然としそうになるが、自分に喝を入れるつもりで叫ぶ。
「畜生、ふざけんな!俺は男だ!」
「イイカラ俺ノモノニナレ」
奴はもう一度ハンマーを振り上げていた。
どうやらあきらめる気はないようだ。
畜生、そういう事は女に言えよ。内心毒づいて俺は振り下ろされたハンマーを避ける。
またも地面に深くめり込んでいた。異様な怪力だ。
現時点では当てる気はないと思う、だが逃げようとすれば本気で当てにかかるだろう。
ならば戦うしかない。だが、ナイフの刃すら弾くような強靭な肉体を持つ相手にどうやって…?
「考える暇なんて与えてくれる訳ないか」
再び振り上げられたハンマーを避けつつ、俺は覚悟を決めた。
まずはこの腕力でぶん殴られないように立ち回る必要がある。
幸いなことに相手の攻撃手段は鈍重そうなハンマーのみ。これなら何とかなるはずだ。
俺は荷物からボーラを取り出すと、威嚇するように両手で構え振り回してみせた。
獲物の貧弱な反抗に黒い男は嘲るような笑みを浮かべて、ハンマーを振り上げて脅すような大振りな攻撃をしてくる。
全力が込められたような力強い一撃が地面を揺らした瞬間。俺は男の手首めがけてボーラを投げつけた。
ハンマーを握る両手首に紐が引っ掛かった瞬間、遠心力によって加速した分銅は瞬く間に彼の両手を縛り上げた。
男が鬱陶しそうにこちらを見た時に合わせてもう片方のボーラを投げつけると、野太く頑丈な首に纏わりついてキュルキュルと締め上げていった。
せいぜい少し息苦しくなる程度ではあるが、両手を封じられているため外すのも面倒くさそうだ。
こちらを舐めてるためか、ハンマーを手放してボーラを外しにかかる。己を傷つける手段が無いと確信してるためか、それほどこちらに意識が向いていない。
その油断をついて荷物からスリングショットを構えると、男の脇腹や内腿めがけて鉄菱を撃ち込む。
ビシッバシッと最低限のダメージを期待させる音が聞こえ、黒い男は初めて明確な敵意を俺に瞬く間に向ける。
しなやかで硬い強靭な肉体とはいえ、痛みを感じないわけではないのだろう。傷つけるより痛めつけることを意識した攻撃は男の精神に明確な害意を届けられたらしい。
さすがにそこまで多くの鉄菱を持ち歩いてはいないため、牽制も兼ねた攻撃には拾った石ころを打ち出していった。
大半は弾き飛ばされるだけだったがたまに男の弱い部分に当たるらしく、明らかに苛ついた表情でこちらに向かって走り寄ろうと動きまわる。
どうにか捕まらずに逃げ回ってハンマーから離すと、彼が体勢を立て直す暇を与えないように次々と石鉄を叩き込んでダメージを蓄積させ続けた。
「×××、怒った! 痛い、嫌だ、辛い、嫌い! これ、邪魔、苦しい、大変」

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