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謎の岩
官能リレー小説 - ファンタジー系

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謎の岩 3

「まずいな、俺を探しているのかもな…」
俺がこの村に入れば、いずれは彼等がここを見つけてしまう。すぐそばまで来ているのだ。
どう考えても俺が彼等を呼び寄せた風にしか見えない。

俺は門番の女にあえて装備のいくつかを渡してから、村の位置がばれぬように身を屈めながら騒がしい集団に近寄る。
そこでまず感じたのは違和感だった。男らにしては甲高く、姦しい話し声。
何よりも聞き覚えのある流暢な言葉が、自らの勘違いを気付かせてくれる。
「おぉ〜い、サリア! 今、帰ったぞ。何か問題、あったか?」
揃いの極端に露出の多い民族衣装のような物を纏った、褐色肌の美女らが笑みを浮かべ門番の少女に語りかける。
複数の槍を背負う者。腰に大振りの刃物を交差させて差す者。半身を覆う盾を持つ者。
歴戦の風格を宿した彼女らは門の側に集まると、少女の持つ装備と俺の潜んだ低木に視線を向ける。
「……それで。弱い男、敵か? 黒いの、居ないようだが。客人なら、出てくる、良いぞ!」
だんだんと粘つく空気に耐え切れず、ゆっくりと姿を現した。
大き目の荷物は門番の少女に渡したため、今は着の身着のままだ。
「敵では無い、と思う。俺は学者のミールス。この地域を調べに来たんだ。」
リーダー格の女が近づいて来ると、体の数ヶ所を嗅ぎまわり首筋を舐め、ニッコリと笑みを浮かべた。
「白い男、ミールス。珍しく面白い、善き魂、持ってるな。ゾネス村、歓迎する。中で色々、残して行け」
良き魂?何かを残す?色々なことを言われ、頭が混乱してきていた。
女を追いかけ回していた黒人風の男達は悪しき魂をもっているということなのだろうか。
肌の色で善悪を決めているように感じられたので、ミールスはなんとなく彼女達に不信感を持った。
彼女達の話に乗せられたら客観的な調査が出来なくなるかもしれない。
「まずはあの黒人達の様子を記録しておいてからでもいいか…」
落とした装備を拾い門番の少女から荷物を返してもらうと、彼女らに付き添われて村の中へと向かった。
近くで見る褐色肌の美女たちは色気のある艶かしい肌が衣装の隙間から覗き見え、肉付きの良いグラマラスな胸や尻が見せつけるように揺れている。
リーダー格の女が歓迎したからか警戒心は薄れ、人懐っこい笑みで身体を寄せて俺に触れてきた。

ゾネス村の中はここいら一体でよく見られる建築様式の建物が並び、違いといえば造りの頑丈さと大き目の建物が多いくらいである。
そうした彼女らの文化をメモに記し、同時に追いかけていた黒人の男達の様子を記録しておいた。
彼らの風俗や文化を詳しくは知らないが、性欲に従って幼い少女を追いかけていたのは好ましくない。
客観的な調査記録とは分けた上で、俺の私見として記録をしておく。
村の中央部にはあの謎の石とそっくりな岩がそびえ立ち、供え物らしき細工物や食料が周囲に並べられていた。
「大いなる岩、ゾネス村の友。移動助ける、荒野に生えてる。村を隠す、乱暴な黒い男、愛する女守ってる」
そのすぐそばでは何か罠のようなものが建造されつつあった。奇妙な石に筒状の物がいくつか取り付けられたそれは神聖な岩のそばに置くには似つかわしくない。
「逃げるだけ、止めた。黒い男、この罠にはめる」
黒人の男達を待ち構えるつもりのようだ。

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