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謎の岩
官能リレー小説 - ファンタジー系

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謎の岩 2

近寄るとなんとなく生臭い臭いがしてきて、俺は少しペースが乱れた。
精液の臭いだった。
双方が走っているにも関わらず、生々しく感じられるのだ。走っていれば風圧で臭いが散るはずなのに…。
もしかして、彼等はあの少女を性的に狙っているのではないか?俺はそう考えた。
やがて黒人の男達が少女を捕まえようと手を伸ばせば届く距離まで追い詰めた頃。
極端に露出の多い民族衣装のような物を身につけた褐色肌の少女は、ある岩に勢いを緩めないままぶつかっていった。
大事故の予感に俺が思わず顔を手で覆おうとすると、信じられないことに彼女はそのまま岩の中に消えていった。
同じような衣装を着ている彼等も同じように消えるのかと、年甲斐も無くドキドキして見つめている俺の目の前では、少女を掴もうとして空振った男が岩に顔面から突っ込んで血を噴き出しながら気絶し、残りの男達に踏みつけられて全身がボコボコになっていた。
「×××! 逃げた、悔しい、怒った!」
 「集団、ゾネス、逃げる。ココ、いつも」
「岩、味方、ゾネス。子供、作る、気持ち良い、無い。産んだ、子供、女、飽きた!」
どうやら彼らの言語はあまり流暢なものでは無いようだが、大体の経緯は推測できた。
彼等はその謎の石の力で女に逃げられるせいで長期間の寸止めをさせられているようだった。それにより性欲が異様に高まっているらしい。
それは既に限界を迎えつつあるように見えた。
俺は少女が消えた辺りに近寄ろうかと思ったが止めた。そわそわとしている男達を逆撫でしかねないからだ。
学者として生き残ってきた直感と判断に従いその場を離れると、新たな出会いを求めて荒野へと踏み出す。

残った食料と飲料水の量が心配になった頃。やっとのことで人の住む村へと辿り着く。
遠目に見たところ髪の長い女性らしき人影ばかりであり、極端に露出の多い民族衣装のような物からのぞく褐色肌は凹凸の激しいグラマラスな曲線を描いていた。
敵意が無いことを示すため、荷物袋やナイフを地面に落とし両腕を横に広げて掌を見せると、門番らしい女の子が黒い穂先の槍を向けながら誰何してくる。
「白い男が、ゾネス村に、何の用だ? 村の場所、何で分かった?」
腕を上げたり指を曲げるジェスチャーは、国や民族によって意味が変わるために、もっとも無難な無抵抗を選んだのは正解だったらしい。
意外と流暢な少女の話を聞くに、俺のように肌の色が薄い男は珍しいが知られていて、ゾネスというらしい村は見つけ辛くなっていたらしい。
先ほどの黒人の男達が探していた村らしいから、警戒するのも仕方ないだろう。
「俺の名はミールス、学者だ。この地域の事を知りたくて人を探していたら、何でか村を見つけられていたんだが……」
その言葉に門番の女がざわつく。どうやら偶然見つけるということがあり得ないらしい。
しかし、本当に偶然たどり着いたのだから仕方ない。この状況をなんと説明しろというのだろうか?
言い合っているうちになんだか自分の背後が騒がしくなってきた。もしかしたら先程の黒人の男達が追ってきたのかもしれない。

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