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魔法使いカインの奇妙な冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔法使いカインの奇妙な冒険 7

「そうだったのか…それは災難だったね。まあでも無事だったようで良かったよ」
「はい、ただ仲間がまだ…あ、そうだ!殿下、仲間の居場所とか分かりませんかね?」
「うーん、残念だけどそれは分からないね。ここに来るまでにそれらしいのも見てないし」
「そうですか…分かりました」
「そんなに気を落とすことはないよ。そのうちきっと見つかると思うから」
「はい…」
そうこうしているうちに山賊の記憶が書き変わり整理されたようだ。「あれ?俺達は一体何を…」
「お目覚めかい?」
「あ…王子様。それに親分、どうしてここに?」
カインは彼等の頭の中では親分にされたようだ。
「親分は恥ずかしいからカインと呼んでほしいけど…」
「あ、すいやせん。カイン…てなんだか妙に違和感があるなぁ。親分てしか呼んだこと無かったんで…」
アロスラが口を挟む。
「ふむ、君はカインというのか」
「そういえば殿下には自己紹介していませんでしたね…、カイン・バートといいます。よろしくお願いします」
「僕は自己紹介する必要はないね。君は既に知っているようだし」
「はい」
山賊達も続く。
「俺達も王子の事は知っておりやすぜ」
「そうか、君達も僕を知っているんだね」
「そりゃあもう。この国では知らない者はおりませんよ」
別の山賊が言う。
「そうなのか、僕も有名になったものだねぇ。まだまだ未熟者なのに…」
「王子は謙虚なお方だ」
「まるでカイン親分みたいだぜ」
「ああ、内に秘めた正義感の強さはそっくりかもな」
「俺達の親分はやっぱり最高だよ!」
山賊達はそう言うと、何故か誇らしげに胸を張った。力強くそそり立ったペニスがプルンプルンと揺れている。
「あはは、褒め過ぎだってば」
カインは屈強な山賊達が自分とアロスラ王子を同等に扱うので少し照れくさくなった。
「ところで君達、これからどうするんだい?」
アロスラ王子が聞いた。
「どうするも何も…、あれ?親分、これからどこに行く予定だっけ?」
「え、えーと。どうしようかな…」
カインは急に話を振られて戸惑った。
彼等は自分を親分だと思っているので、自分が行く先を決めなくてはならない。
そこでまずは散り散りになってしまった仲間を探すことを先決しようと思った。山賊にかなり時間を使ってしまっているが、本来なら彼等に構っていられる状況ではないのだ。
「実は知人とはぐれてしまってね…、だから僕はその人達を探したいんだけど」
「そういう事ならば、お手伝いいたしやしょう」
「本当か?」
カインは山賊達が意外にも協力的なことに驚いた。記憶の書き換えの影響だろうか、それとも本来の彼等の性格によるものかは分からないが、とにかくありがたかった。
「ありがとう、助かるよ」
「カイン親分の為とあらばたとえ火の中水の中でも駆けつけやしょう」
その言葉に他の山賊も同意の声を上げる。
「カイン親分は最高の漢だからな」
「ああ、命に代えても守り抜くぞ」
「おうよ!」
山賊達は口々に言い合った。カインは、山賊達が自分に心酔しきっている事に少し不安を感じこっそりとアロスラ王子に話しかける。
「彼等の記憶を書き換えたにしてもこれはやりすぎですよ…」

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