PiPi's World 投稿小説

王国の境界線での肉欲
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 3
 5
の最後へ

王国の境界線での肉欲 5

そんな事を考える暇も無く、事態は急展開を見せた。
「おい!こいつらを縛れ!」
その隊長らしい髭面の兵士は大声で指示を出す。すると近くにいた兵士が数人、ファブリスらを取り囲んだ。
「そんな!脱いだじゃないか!」
「裸になれば解放するとは言ってない」
「嘘つきだー!」
「やかましい!黙らせろ!」
兵士達は隊長のその言葉に従いファブリスを押さえつけた。
「やめなさい!貴方達はそれでも人なの!?」
ミルリーフはその光景を見て怒りをあらわにした。
「我々は人間ですとも。だからこそこの少年を殺す必要があるのです」
「どういう意味よ!?」
「この小僧が国を滅ぼせるような怪物を呼び出せるんですよ」
「馬鹿な事を言わないで!」
「いえ、本当ですよ。我々にはそれを防ぐ義務があるんです」
「だからって…」
「うるさいぞ女!」
ミルリーフまで押さえつけられた。彼女は必死になって抵抗するが、数人の男に敵うはずもなかった。
押さえつけられたままミルリーフが聞く。
「怪物って何よ!」
「お前達のような無知蒙昧な輩がいるから恐ろしいのだ!」
兵士の一人が声を荒げた。そしてそれに呼応するように他の兵士も騒ぎ始める。
「俺達の国を滅ぼすつもりなのか?」
「生意気な態度をとりおって!」
彼等の怒りの声は次第に大きくなっていく。このままだと本当に殺されかねないとファブリス達は思った。
「皆、落ち着け!今は争う時ではない!」
髭面の隊長が怒鳴った。しかしそれでも兵士達は止まらない。
「落ち着いていられるか!コイツは怪物を呼び出し、国に災いをもたらす!」
興奮した兵士達はもはや話し合いができる状態ではなかった。こうなってしまっては、もはやファブリス達の力で解決できる問題ではなくなってきた。
その時だった。ファブリスを押さえつけていた兵士達の体が吹っ飛んだ。
「ぐえぇ…」
「ぎゃあっ…」
兵士達は悲鳴を上げながら宙を舞う。それだけではない、彼等の装備している鎧が粉々に砕け散り裸にされたのだ。
「なんだ!?」
突然の出来事に、唯一吹き飛ばされていない髭面の隊長も驚いている。
「一体なにが起こっている…?」
ミルリーフも不思議そうな顔をしていた。
「僕にもわからない…でも何かが起きたみたいだ」
ファブリスは冷静に空中の兵士を見上げた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す