PiPi's World 投稿小説

Absorption
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 15
 17
の最後へ

Absorption 17

「何か、いい手はないか?」
理事長はヴラドに相談する。ヴラドはかつてワラキアの為に戦い、その後はヒトラーと対面できたのが嬉しくて義勇山岳師団設立の際に尽力したり、戦後は東側でありながら独自路線を行く独裁者を陰ながら支援した。いずれも祖国のためと思ってやったのに、結果は裏目に出ていた。それ以来、彼はかつての冷徹で独断専行から慎重で綿密な戦略に変更する。
「外堀から埋めればいい。キシダ、下僕の女はいるか?それも、絶対服従の」
「もちろん、ベールをした牝奴隷が」
「シスターか、最近は志願者も高齢化していると聞く。貞節どころか不浄だ」
ブラドの女性観は中世のままで、独裁者に対しても妻を増長させるなと忠告したくらいである。
「確かに未亡人やバツイチが多い。早速呼ぼう」
理事長は最も忠実な二人をブラドに披露しようと内線で呼び出す。
「アグネス、イザベラ。こちらがアルカルド・ツェルッペ、ルーマニアの民俗学者で、私の友だ」
「お初に」
「お目にかかります」
二人のシスターはブラドに恭しく礼をした。
「お見せするんだ、お前たちの本当の姿を。そして、告白するんだ」
「どうかご覧ください」
彼女達はベールとブーツ以外すべて脱ぐ。そのボディラインは熟女の域に入っても二十代と遜色なかった。乳房は不自然なまでに膨らんでいて、股間も永久脱毛されていた。
理事長への忠誠の証として肉体は作り変えられ、修道女とは思えない役割も負っていた。主に生徒の父親を娘の入学に同意させるための肉体接待を担っている。
「私たちは…異教徒にも体を開く淫らな売女です。殿方のみならず女とも交わる背徳の権化です」
「だったら、どうしてほしいんだ?」
「どうか、罰を!この、卑しい牝奴隷に」
「ふん、売女めが・・・」
紳士らしい風貌に似合わぬことを口にするヴラド。
「ありがたきお言葉です!!」
嬉しそうに体を震わす二人のシスター。
「まったくとんだメス豚どもだな、キシダよ」
「シスターだけじゃないさ、牧師だってそうだろう、子供に性的暴力を働く連中はごまんといる、聖職者も一皮剥けばただの欲望の塊だ」
ここ二〜三日の間で、女子生徒の躰をおもちゃのごとく弄んできた男が言うことだろうか・・・
「それで、私共は何をすればよろしいでしょうか?」
「今年入ったばかりの新任教師である君島香織という女がいるだろう?自宅から彼女を捕らえてくるんだ」
これには理由があった。吸血鬼は基本的に『その家に招かれないと足を踏み入ることができない』という制約があるのだ。そのため忠実な『しもべ』と化している二人のシスターを使い彼女の家へ押し入り捕らえさせよう、という公算だ。
「かしこまりました」
深々と例をすると、二人のシスターは目にもとまらぬ速さで飛び上がり、部屋から姿を消す。
流石のヴラドもこれには驚く。
「サムライ?」
「ニンジャだよ、ヴラド公」
笑いながら訂正する理事長
所変わって、学園から3キロ離れた位置にある市街地のアパート

新人教師君島香織はシャワーを浴び終え、浴室から出てきた。
下着を着け、ワイシャツだけ羽織るという、多くの男性の欲情を煽るような格好でリビングに戻るとPCに向かう。
「さあて、明日の授業の段取りを、と・・・」
その時、チャイムが鳴った。
「こんな時間に・・・」
この格好故に居留守を装うつもりだったが、ひょっとしたら市内に住む彼かもしれないため、玄関まで向かう。
そして、扉ののぞき窓をのぞくと、立っていたのは彼女が良く知っている若い男だった。
「耕ちゃん!!」
嬉しそうにドアを開ける。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す