元雌豚の世界救済記 1
私は汚れた女。
私の両乳首とクリトリスには服従の証たるピアスが施されている。
下腹部には『雌豚』という二文字が刻まれている。
「お腹…空いたな…」
空腹時になれば、私の意志とは関係なく身体が勝手に発情してしまう。
口に入れられるのは、男が射精した精液だけ。
より『雌豚』として男のドレイとなるべく、私の身体は改造されてしまった。
昔は、都市外れに住んでるただの一般市民だったのに。
今では、ただ肉欲に悦を感じ、男の精液を啜りながら生き長らえる毎日。
何か食べ物がないか。辺りを歩き回るものの、該当時間でないからか、残念ながら私と同じ境遇にある雌豚仲間がいるだけで、私の食糧となる男の精液は見つからない。
この無機質な洞窟の中に閉じ込められた私たちは、該当時間がくれば念願の食餌にありつける。
洞窟内に入ってくる男たちにすがらねば、食餌となる精液どころか水さえ飲めないのだ。
おまけに、私たち雌豚はお腹が空けば本能的に栄養を得るために否応なしに発情させられる。
そんな風になるよう身体を改造させられたのだ。私たちは。
この洞窟の入口には、オークどもが門番をしている。オークを殺せるだけの力があるなら、もうとっくに私たちはこんなところから逃げ出している。
脱出を試みた雌豚は今までに沢山いたのだけれど、皆揃ってオークの子供を孕ませられ、この洞窟内に連れ戻されたんだ。
孕ませられた仲間は栄養不足で死んでいったよ。オークの子供を胎内で育てるには、栄養がとても足りないから。
とは言っても、私たちはもう人間との子供は産めなくなっちゃったんだけどさ。
いちいち人間との子供ができてたら支障があるのでしょうね。
この洞窟から、なにがなんでも脱出してやる。私たちをこんな身体にしてくださった野郎どもを一人残らずズタズタにして殺してやるんだから。
その為にはあのオーク達が邪魔。何の策も無しに逃げようなら、子供を孕ませられて1日もしないうちに、死ぬだけだから。
せめて、何かあのオーク達を殺せないまでも注意を惹く何かがあれば。
少なくとも、洞窟内にあるものでは無理だ。そこらに落ちてる石ころなどでは何の役にも立たない。
何もしないだけで空腹になり、飢えて発情し、気がつけば男の精液を探し求め、該当時間になれば雌豚として卑しく精液を啜る毎日。
「私と一緒に死んで!」
また始まった。
「サユリ。駄目だよ。前も言ったでしょ。私はお兄ちゃんに会うまでは、死ねないの。」
心中だ。
快楽に溺れるでもなく、脱出を諦めた雌豚たちの内、一人で自殺することができない奴が、誰かを道連れに死のうとする。
このサユリは、以前も心中を仄めかす話をしていたのを耳にはしていた。
私より大きな乳房に小降りなお尻。金髪のロングストレートで童顔。男受けするのだろうか、散々男たちに犯された後、私よりも精液を全身に浴びている。
私よりも精液を啜っているのに、どうして死にたいのだろうか。
対して、心中することをお願いされた雌豚はナズサ。
胸の大きさは私とあんまり変わらない大きさ。両の乳房に「雌豚」と刻まれている。そのせいか、よく男たちに乳房を乱暴に揉みしだかれているのを目にする。
茶のショートカットに黒のつり目でお尻は大きい。
「どうせここから出られないのに、ナズサはまだそんなこと言ってるの!発情のしすぎで頭おかしくなっちゃった!?バッカじゃないの!私たちに希望なんてないのよ!お兄さんだってこの世の中でまだ生きてるわけないのに!…夢見るだけ無駄よ!」
逆ギレしたサユリ。
「ナズサ…」
ナズサとサユリは同時期に雌豚としてこの洞窟に放り込まれて以来だろうか、いつもであればナズサが心中を望むサユリを優しく説き伏せるのだが…
サユリは洞窟の入口の方へと駆け出していく。
策もなしに脱出しようものなら、オークに囲まれるのが目に見えているのに。