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勇者のお供はボテ腹妊婦達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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勇者のお供はボテ腹妊婦達 7

まるで発情した雌獣の群れだ。俺はちょっと怖くなった。
「どけどけぇ!このボウズはオレと組むってもう決まったんだよ!」
すると最初の女戦士が強引に俺の腕を引っ掴み、群がる女達の輪を抜けて俺をギルドから連れ出した。
「ちょ…ちょっと待ちなさいよぉ!」
フィオナ姉も慌てて俺達の後を追って来る。

ギルドを出た俺達三人は街の中央広場までやって来た。
「あ…あのぉ…」
そこで俺は初めて女戦士に話し掛ける。
「…ん?あぁ、悪ぃ悪ぃ。まだちゃんとした返事聞いてなかったっけ。いやぁ〜、あの場から逃げるためにはああ言うしか無くてよぉ、気ぃ悪くしねぇでくれよな!」
そう言うと女戦士は子供っぽく「ニヒヒ」と笑った。何だ…美人だけど強引で自分勝手な女だと思っていたが意外と良いヤツじゃないか。だがフィオナ姉は彼女の事を気に入らないようで「コホン」とセキを一つしてからキッパリと言った。
「お気持ちは有り難いのですが、私達はアナタをパーティに加える気はありませんので…申し訳ありません」
「ふ〜ん…アンタは?」
「この子の『姉』兼『保護者』兼『妻』です!」
フィオナ姉は“妻”という所にアクセントを置いて言う。
「姉…へぇ〜!アンタら姉弟で結婚したのかぁ!」
女戦士は素直に驚いたといったように感心を示した。以前にも言ったと思うが、この世界では母親違いの兄妹姉弟同士の近親相姦はタブーではない。だが珍しい事であるのは確かだ。
「…参ったなぁ〜、こりゃオレなんかがアンタらの間に入り込む隙間なんて無いかぁ…」
困ったような顔でポリポリと頭を掻きながら言う女戦士。俺はフィオナ姉に提案した。
「お姉ちゃん、僕このお姉さんとパーティ組んでも良いと思うな」
「えぇぇっ!!?」
フィオナ姉は信じられないというように目を丸くして驚き、女戦士は頬を紅潮させて喜んだ。
「マジかよ!?サンキュー!ボウズ、話せるじゃねぇかぁ!」
「ボウズじゃないよ。リュート!お姉さんは?」
「リュートかぁ…オレはシャルネってんだ!よろしくな!えぇと…そっちは?」
「ハァ…フィオナよ。よろしく、シャルネさん…」
フィオナ姉は女戦士…シャルネさんに握手を求めた。
「よろしくな」
シャルネさんは差し出された手を握り返す。
「「……」」
握手したまま一瞬見つめ合う二人。その時、俺は二人の女の間に火花が散るのを見たような気がした。
なにはともあれ、ちょっとぎこちないがクエスト攻略のためのパーティがここに結成された。

「じゃあまずどっかでメシでも食いながら、これからのことでも話そうぜ!
 いくら俺が凄腕の戦士様でも、おまえらの実力も知らないで戦えるほど自信があるわけじゃないしな」
そう言ってさっそく食事をたかろうとするシャルネ。
さりげなく高くてうまい飯屋に行こうとしているあたり、とても凄腕の戦士様の行動とは思えない。
まだ幼かった俺はそれに気づかず、流れるままについていこうとしたのだが・・・あいにくフィオナ姉はそう簡単に騙されなかった。
シャルネについていこうとした俺の手を握ってそれを阻止すると、トゲだらけの言葉で彼女も引き止める。
「ごめんなさい、シャルネさん?
 お恥ずかしい話なんだけど、私たちあんまりお金に余裕がないの。
 宿屋さんのお台所を借りて私が何か作りますから、宿屋のほうに来ていただけます?」
「ん?そっか、そりゃ悪かったな。んじゃ案内よろしく頼まぁ」
フィオナ姉の言葉をそよ風のようにやり過ごしたシャルネはそう言うとあっさり踵を返した。
だがその裏では2人とも見えない火花を飛び散らせながらお互いに警戒を強めていた。
(チッ・・・!せっかく豪勢なメシにありつこうと思ったのに・・・。
 この姉ちゃん、思ったより油断ならねえな・・・)
(やっぱり油断ならないわね、この人・・・。
 私とリュートの間に割り込んでくる図々しさと言い、ナチュラルにごはんをおごらせようとするごうつくさと言い・・・。
 私のリュートをカモにされてたまるもんですか。
 リュートは何が何でも私が守り抜いて見せるわ・・・!)
見た目は穏やかに、しかし実際は火花飛び散る危険な空気漂う中、俺たちは宿屋でささやかながら新しい仲間の歓迎会を開いた。
と言ってもやっていたのはお互い自己紹介して、たわいもない話をしていたくらいだったけど。

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