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勇者のお供はボテ腹妊婦達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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勇者のお供はボテ腹妊婦達 13





「……?」
目覚めたリュートの目に一番初めに飛び込んで来たのは何の変哲も無い天井だった。
「リュート…!?」
ふと隣から声がし、横を向くとベッドに寝かされたフィオナがいた。
というか自分もそうらしい。
二つ並んだベッドに、それぞれ寝かされている。
「あ…お姉ちゃん、おはよう…」
とりあえず口をついて出た言葉はそれだった。
フィオナがいるという事はここは天国ではないのだろう。
「リュート…リュートぉ…うっ…うぅ…」
フィオナは見る間に顔を真っ赤にして涙をポロポロと流し始めた。
リュートはふと思い出して姉に尋ねる。
「赤ちゃんは!?赤ちゃんはどうなった!?」
「うっ…ぐすん…うぅ〜…」
フィオナはしゃくりあげながら自分の着ていた布団をめくって見せた。
彼女の傍らには可愛らしい赤ん坊がスヤスヤと穏やかな寝息を立てて眠っていた。
「そ…その子が…?」
リュートが恐る恐る尋ねるとフィオナは泣きながら「うん、うん」とうなずいて言う。
「私達の赤ちゃんよ…リュート」
「あ………………よ…良かったあぁぁ〜!!!ほんっと良かったぁ!!」
リュートはブハァ〜と勢い良く息を吐きながら肩を撫で下ろす。
そこに、部屋の扉が開いてシャルネとフェレンが入って来た。
「リュート!!意識戻ったのか!?」
「リュートさん!!良かったぁ…!」
二人とも瞳に涙を浮かべている。
「みんな、ごめんね。心配かけて…」
リュートがそう言おうとした、その時だった。
 グウゥ〜〜〜…
リュートの腹の虫が盛大に鳴った。
「ウフフ…リュートったらもう…」
「おいおい、いきなりそりゃあねえだろう…」
「無理もありません。もう三日間も寝たっきりで飲まず食わずだったんですから…」
そう言って三人は笑った。
リュートは真っ赤になった。

それにしても三日間も眠り続けていたという事にリュート自身も驚いた。
文字通り精根尽き果てるまでモンスター達に搾り取られたためだろう。
そのモンスター達を一瞬で消し飛ばしてしまったフェレンの浄化魔法だが、あれはやはりフィオナの聖乳による効果だという。
なぜフィオナは特別な修行も無しに聖乳が出せたのか…しかも普通の聖乳より遥かに凄い効果を飲んだ者にもたらす聖乳を…。

フィオナの両親は性豪に違いないが、特別な血筋などということはない。
むしろどこにでもいる、由緒正しい一般庶民と言っていいだろう。
ではなぜフィオナがこれほどの聖乳を出せたのか?
熱い抱擁を交わす姉弟を見ながら、フェレンはある答えにたどり着く。
それは答えと呼ぶにはあまりに空想じみていて、普通なら口に出すのもはばかられるもの。
(ああ・・・そうか。そうだったのですね。
 フィオナさんがあんなすごい聖乳を出せたのは―――すべてはリュートさんを愛していたから、なのですね)
愛のなせる業。ならば不思議なことなど何もない。
シスターであるフェレンが1人納得していると。
うれしさのあまり興奮しすぎたフィオナが、病み上がりのリュートと熱いキスを交わし始めた。
いくら姉弟で恋人同士とは言え、さすがにこれは見逃せられない。
フェレンはシャルネとともに、あわてて暴走したフィオナを引き剥がしにかかるのだった。
母たちのドタバタに、名前のない赤ん坊は楽しそうに、無邪気にキャッキャッと笑っていた。

―――それから数日後。
リュートはフェレンの厚意もあり、大事を取って教会で休ませてもらっていた。
フィオナ特製の聖乳を赤子と一緒に飲んだり、仕事を手伝った報酬としてシャルネに襲われたりといろいろあったが。
体力もすっかり回復し、明日からまたバリバリ働けそうだ。
そう判断したリュートはその日、仲間たちと相談し、フェレンに明日教会を出て行くことを告げた。
「明日、ここを発つのですか?もう少しゆっくりなさったほうが・・・」
「いえ。オレならもう大丈夫です。これ以上迷惑をかけられません」
「そうですか・・・わかりました。それでは報酬を差し上げますので、どうぞお受け取りください」
フェレンはそう言うと、何を思ったか、突然その場で着ていたローブを脱ぎ始めた。
あっという間に一糸まとわぬ姿になったフェレンは、その身をリュートに預ける。
「ふぇ、フェレン・・・さん?」

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