PiPi's World 投稿小説

剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 83
 85
の最後へ

剣の主 85

愛しいアリーを追い出す上層部と教授たちにアイーシャの怒りは収まらなかった。
「でっでも、私は悔しいです!アリーさんを追い出すなんて!」
「僕も悔しいです。でも、アイーシャさんが、こんな僕に味方してくれて嬉しいです」
「アリーさん」
絶望にいたアリーだったが、アイーシャだけは自分に味方が一人いてくれたのが嬉しかった。
そして、アリーはアイーシャに部屋を出たほうが良いと忠告する。
「アイーシャさん、そろそろ出て行ってください。ここにいるとあらぬ噂が立ちます。今は僕を信じてください」
「信じます。アリーさんを」
そう言うとアイーシャはアリーを信じて静かに部屋を出て行った。

その後、荷造りを終えて静かに王立学士院を出て行ったアリーはこれからの事を考えていた。
家に帰っても、兄夫婦に迷惑がかけられないとアリーは悩んでいた。
アリーの父親は既にこの世に無く上の兄が家督を継いでいるが、子供が多く役職に恵まれない兄に自分の面倒をみれる余裕が無いの上に兄は義姉の尻に敷かれていて頼れないからである。
(これからどうすれば良いんだ。家に帰っても兄さん夫婦も生活厳しいから、迷惑かけられないな)
そして、アリーはふっとセイルたちとの騎士学校時代の青春を振り返っていた。
(はっはっは、サーラさん、パサン、アルトリアさん、セイルたちと過ごした騎士学校時代が懐かしいな〜みんな、どうしてるんだろうかな。はあ〜あの頃に戻りたいよ)

だが、過ぎ去りし日々に想いを馳せていたアリーを突如として現実に呼び戻す怒鳴り声が響いた。
「見つけたぞぉ!!!!ザッバーフ・アリー!!!!」
「はぁ!?な…何だ?」
振り向くと、そこには十人前後のガラの悪そうな男達が立っていた。
まずい事に、ちょうど人通りの無い裏路地に入った所だ。
チンピラのような連中に混じって一人だけ、いかにも貴族らしい服装をした目付きの悪い若い男がいた。
男はアリーを睨み付けながら尋ねる。
「テメェがザッバーフ・アリーだなぁ?」
「そ…そうだが、あんたは一体…グハァッ!!!?」
言葉も終わらぬ間に男の拳がアリーの顔面に炸裂し、彼は近くの壁に叩き付けられてしまった。
男はチンピラ共に言った。
「おいテメェら、たっぷり可愛がってやんな…」
「へい!アニキ」
「へへへ…殺さねえように手加減できるかどうか解らねえけどなぁ〜」
(い…いったい何だっていうんだ!?コイツラは一体何者なんだ!?)
そして、殴る蹴るの暴行が始まった…。

十数分後…
「クックック…おい、良いザマだなぁ…え?アリーさんよぉ…」
「……」
ボコボコにされたアリーは満身創痍でグッタリと地面に倒れていた。
顔面は真っ赤に腫れ上がり、顔付きは変わり果てている。
貴族らしき男はそのアリーの顔を踏み付けて言った。
「ヘッ…人の女にチョッカイ出すなんてよぉ、なかなかナメた真似してくれるじゃねぇか…」
アリーは全く身に覚えが無かった。
(…人の女だって?こんなチンピラまがいのヤツの彼女に手を出した覚えなんて………まさか!!)
アリーは以前アイーシャが言っていた事を思い出した。
実は彼女には親が勝手に決めてしまった婚約者が居るという。
相手は上級貴族の息子らしいが、アイーシャはその男の事が正直いって好きではないと言っていた。
(ま…まさかコイツが…!!)
アリーは驚愕に目を見開いて男を見上げる。
男は言った。
「あぁ?何だその目は?」
アリーは痛む口を動かして言った。
「おま…アイ…シャさん…の…」
「おいおい…何?もしかして今まで俺のコト誰だか知らないままボコられてた訳ぇ?クックック…そうだ。お察しの通り、俺がアイーシャの婚約者、ムスタファ・ザダームさ。ちなみにオヤジは内務大臣のムスタファ・ハシームだ」
(やっぱりコイツが…!!)
アリーはその男…ザダームを睨み付けた。
ザダームはニタァ…と嗜虐的な笑みを浮かべながらアリーを見下ろして言う。
「…あ!そうだ。お前に良い事教えてやるよ。俺たち来月の中旬に結婚しちゃうんだよねぇ〜♪」
「…っ!!!?」
「あいつ(アイーシャ)には気の毒だが学士院は中退してもらう。盛大に祝うぜぇ…お前も披露宴に招待してやりてえ所だが、残念ながら身分が低すぎて無理だわ…ま、輿入れの行列ぐらいは見れるだろうから、せいぜいアイーシャの花嫁姿をその目に焼き付けて帰って一人寂しくチ○ポでもシゴいてな。あぁ…俺は今から初夜が楽しみだ。アイーシャはどんな風に乱れるのかなぁ?俺の事を好きじゃないらしいが、嫌がるのを無理矢理…ってシチュもまた良いんだ」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す