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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 7

「畜生!あのクソ女!!美人がセイルとイチャツイテルってだけで気に入らねえってのに!この俺様を虚仮にしやがって!!いったいどうやって復讐してやろう!!」
ドルフは保健室のベットの上で、顔を真っ赤にして癇癪を起している。
「まあまあ落ち着いて下さいよドルフさん・・・」
その癇癪を彼の腰巾着であるタルテバが必死に宥める。
「落ち着いてなんかいられるか!このボケ!!」
親分の癇癪にタルテバは肩を竦めると、笑みを浮かべながらドルフに進言する。
「フフフ・・・安心して下さいドルフさん。ちゃんと復讐の方法は考えてますから・・・」
子分のその言葉にドルフは、興味深そうな表情を浮かべた。
「何だ?何かアイデアが有るのか?」
貧弱な身体つきの陰気な小男だが、タルテバの頭の良さにはドルフも一目置いていた。
(かかったなこの単細胞が・・・とはいえこの馬鹿は俺が伸し上がる為の大事な道具だからな・・・使い捨てにするその時まで精々良い気分で踊って貰わなきゃな・・・)
「ハイ・・・こんなアイデアは如何でしょう?」
タルテバは内心目の前の男を侮蔑しながら、近い将来目障りなライバルに成りそうなセイルを蹴落とす為の策を彼の操り人形にそっと囁いた。




「あら?セイルくん!帰って来ていたんですね!久々の休暇は楽しめましたか?」
「あ!姫様!!」
僕が息も絶え絶えにドルフの巨体を保健室に運び、アルトリアと共に廊下を歩いていると、廊下の向こう側から、イルシャ王国の第21王女であるイルシャ・サーラ王女が声を掛けて来た。
「もう!セイルくん。何時も言っているでしょう?学校ではサーラと呼び捨てにして下さいと!・・・だいたい王女といっても、正妃では無く側室の娘・・・それも上に兄上や姉上が二十人も居るのでは、王位に就ける可能性は無いも同じですから。正直他人から姫と呼ばれても少しも嬉しくは有りませんし・・・」
「ああごめんサーラさん」
我が国は一夫多妻制で、当然貴族や王族といった豊かな人間は、それだけ多くの妻を持つ事が許されている。
まして国王ならば尚更で、サーラさんの父親である現王も、さして好色では無いにも関わらず。十数人の妃を持ち、王子や王女は、全員で三十人近く居る。
そんな数多い王子や王女の中でも、サーラさんは特に変わり種で、祖先である国母イルシャ・ルーナに憧れて、王女で有りながら、騎士学校に入学して騎士を目指しているという変わり者だ。
もっとも彼女の実力は確かで、成績は常にトップを独走している。
女性の為腕力と体力には恵まれていないが、その分魔術を熱心に勉強し、剣と魔術を同時に操る魔法戦士に成った。
学校の剣の授業では魔法の使用は禁じられている為、剣の成績はドルフに一歩ゆずるが、恐らく魔法を併用した実際の戦闘なら、学園最強の戦士は、ドルフでは無くサーラさんに成るだろう。
「くす、くす、くす、卒業したらセイルくんには、是非私の副官に成って欲しいと思っているんですから、私の命令を忘れて貰っては困りますよ」
そう言って彼女は無邪気に笑う。
その笑顔は思わず騎士として忠誠を誓いたくなるほど美しい笑みだった。
「は、ハイ」
僕は憧れの女性であるサーラさんに微笑み掛けられた事で、ついつい顔を真っ赤にしてしまった。
「ところでセイルくん・・・其方の美しい女性は何方ですの?良かったらご紹介いただけません?」
サーラさんはそう言うと、僕の後ろに控えているアルトリアに視線を向けた。

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