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剣の主
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の主 313

寝ぼけ眼で見ると布団が不自然に膨らんでいる。
セイルは布団を捲ってみた。
「…んん〜…変な所にお芋がぁ…むにゃむにゃ…」
「サ…サーラさん!!?」
なんと、そこにいたのは一糸まとわぬ姿のイルシャ・サーラその人であった。
意外な人物にセイルは一瞬で眠気も吹っ飛ぶ。
「……んぁ?…あぁ…セイルくん、おはよぉ…」
「お…おはよう……じゃなくて!何でサーラさんが僕のベッドに居るの!?」
しかも裸で…。
「…あれ?何で私セイル君と一緒に寝てるのかしら…?」
サーラも次第に頭が冴えて来たようで、不思議そうに首を傾げている。
「僕が知りたいよ…」
そう呟いた時だった。
ノックの音がして、ドアの向こうからアルトリアの声がした。
「セイル様、おはようございます。開けますよ…」
「わあっ!?ア…アルトリア!ちょっと待っ…!」
「何をそんなに慌てていらっしゃるので……あ…」
「「……」」
固まる三人。
一瞬、時が止まった。
「セイル様……セイル様の…バカあぁぁっ!!!!」
次の瞬間、アルトリアは叫びながら走り去った。
「ええぇぇぇっ!!!?違う!!誤解だぁ!!…てゆうか君そんなキャラじゃなかったよね!?」
慌てて後を追おうとするセイルだが、足をもつれさせてベッドから転落し、床に顔面を強打する。
「…へぶしっ!!?」
「セ…セイル君!大丈夫!?」
そこへアルトリアが顔を出した。
「なーん…ちゃって…?」
「「……」」
「驚きましたか、セイル様?」
「お…驚きまひた…すっごく驚きまひた…」
噴出する鼻血を押さえながら顔を上げるセイル。
サーラは意外というか、少し感心したように言う。
「アルトリアさんも冗談なんて言うのねぇ」
「ええ、私もたまにはヒロインらしい事をしてみようと思い立ちまして」
「思い立たなくていい!イタタ…」
「ご安心くださいセイル様!あなたが今さら寝所に女を連れ込んだ所で別に驚いたりいたしません!」
「いや、それじゃあ僕が色狂いみたいじゃないか!…てゆうかサーラさんは何で僕のベッドに裸でいたの?」
「…思い出したわ!昨夜、久し振りにセイル君に抱いてもらおうと思って君の寝室に忍び込んだのよ。でも君すんごい熟睡してて何しても起きなくて…そのまま私も寝落ちしちゃった」
「ほう、夜這いとは…サーラ殿、なかなか大胆な真似をなさいますね」
「…てゆうか色々って何したの…?」
「ふふふふ。まずはセイルくんの体温を感じたり。セイルくんの唇にキスしたり耳たぶを甘噛みしたり〜」
「疲れてたとはいえ、流石セイル様の鈍感ぶりは半端ないですなぁ〜」
「サッサーラさん、止めて下さい!恥ずかしいです!!!それにアルトリア鈍感なんて酷いよ!」
寝ている自分に色々悪戯をしていたことを赤裸々に語るサーラにセイルは止めてくれと懇願して、自分を鈍感と呆れるアルトリアに言い返す。

「はぁ〜もう既に一通りの女性と関係を持っておられるのに相変わらず童貞丸出しですね〜」
「童貞丸出しって…サーラさんの前で変なことを言うんじゃない!」
女性経験をそれなりに積んでも未だに童貞丸出しさやヘタレさを克服できないことをアルトリアに指摘され怒るセイルをサーラは宥める。
「まあまあ、セイルくん。君は些細な事で動揺しすぎなのよ。それに地位ある男が複数の女性を囲うのは東西南三大陸では普通なのよ」
「そうですよ。英雄なら多くの美女を虜にする気概を持たねばなりません。あのゼノン帝国始祖のディオン大帝何か600人の妻との間に800人ほどの子を設けたんですよ。しかも、その中に人間の女性だけでなく白エルフや黒エルフや獣人や魔族や淫魔やオーガといった亜人種の女性も多数いましたからね」
「ろ…六百人って…何か下腹部が痛くなってきた。よく身体がもつね・・・ディオン大帝・・・」
「ディオン大帝は淫魔の血を引くハーフインキュバスですからね」
「ハーフ淫魔、本当にディオン大帝はリアルチートだね・・・」
ディオン大帝の性豪ぶりにセイルは及び腰になる。
今だってサーラやアルトリアに振り回されて情けない自分が勇者としてやっていけるのかセイルは不安なのである。
サーラはアルトリアにルーナやディオンがどんな人物だったか訊こうとする。
「そういえば、アルトリアさんは私の祖先ルーナ女王だけでなくディオン大帝にあった事があるんですよね?」
「ええ、何度か御会いした事があります。ディオン大帝は我が主ルーナ様が最も恐れた帝王ですからね」

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